SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ
平成29年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問19
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア(最終成果物に含まれる誤りの件数)÷(最終成果物の量)
- イ(修正時間の合計)÷(修正件数)
- ウ(変更が必要となるソースコードの行数)÷(移植するソースコードの行数)
- エ(利用者からの改良要求件数)÷(出荷後の経過月数)
解き方のヒントを見る
評価対象を見分けるための視点
各選択肢を用語の印象だけで判断せず、指標が何を観測し、どの段階や対象に関する情報を表そうとしているかを整理してから比較しましょう。名称より測定対象との対応に注目することが大切です。
この問題で問われていること
一つの観点として、指標の説明が示す「観測の対象」と「評価したい性質」の対応関係に注目してください。対象・目的・測定結果の結び付きを同じ基準で読み比べると、分類を落ち着いて判断できます。
視点
指標を確認するときは、まず何を測るためのものかを抽象化し、次にその測定がどの評価目的に役立つのかを対応付けます。用語の細かな違いを暗記するより、対象と目的の関係を一貫した視点で整理しましょう。
確認ポイント
- 測定対象が何として説明されているか
- その指標が評価しようとする性質は何か
- 対象と評価目的の対応が選択肢間で一貫しているか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
ソフトウェアの保守性は、修正や変更をどれだけ容易かつ効率的に実施できるかを表します。修正1件当たりの平均時間は、保守作業のしやすさを定量的に評価できる。
理由
修正時間の合計を修正件数で割ると、修正1件当たりに要した平均時間が求められる。修正に必要な時間が短いほど、変更や障害対応を行いやすいと考えられるため、ソフトウェアの保守性を評価する指標になる。
比較
誤りの件数を成果物の量で割る指標は欠陥の発生密度、変更行数と移植行数の比は移植性、改良要求件数を経過月数で割る指標は利用後の要求発生頻度を表します。いずれも修正作業の容易さを直接測るものではありません。
選択肢ア
これは不正解だよ。これは最終成果物の量に対して誤りが何件含まれるかを示す指標であり、成果物の欠陥密度を評価するものです。誤りの多寡は品質上重要ですが、誤りを修正するのに必要な時間や作業の容易さを直接示していないため、保守性の指標とはいえません。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。修正時間の合計を修正件数で割ることで、修正1件当たりの平均修正時間を求められます。修正に要する時間は、障害対応や仕様変更を行う際の作業性を表すため、ソフトウェアをどれだけ保守しやすいかを定量的に評価する指標になります。
選択肢ウ
これは不正解だよ。変更が必要となるソースコードの行数を移植するソースコードの行数で割る指標は、移植に伴って変更が必要な割合を示すものです。別の環境へ移す際の変更量に関係し、保守作業1件当たりの時間や修正のしやすさを直接評価していません。
選択肢エ
これは不正解だよ。利用者からの改良要求件数を出荷後の経過月数で割る指標は、一定期間当たりにどの程度の改良要求が発生したかを示します。利用後の要求発生頻度を表す指標であり、要求を受けた後の修正作業に要する時間や容易さを測るものではありません。
学習のポイント
品質指標は、何を分子・分母にしているかで評価対象を判別する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問19(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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