SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ
平成29年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問14
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア外部からのサイバー攻撃などの情報セキュリティ問題に対して,政府横断的な情報収集や監視機能を整備し,政府機関の緊急対応能力強化を図る。
- イ重要インフラに関わる業界などを中心とした参加組織と秘密保持契約を締結し,その契約の下に提供された標的型サイバー攻撃の情報を分析及び加工することによって,参加組織間で情報共有する。
- ウセキュリティオペレーション技術向上,オペレータ人材育成,及びサイバーセキュリティに関係する組織・団体間の連携を推進することによって,セキュリティオペレーションサービスの普及とサービスレベルの向上を促す。
- エ標的型サイバー攻撃を受けた組織や個人から提供された情報を分析し,社会や産業に重大な被害を及ぼしかねない標的型サイバー攻撃の把握,被害の分析,対策の早期着手の支援を行う。
解き方のヒントを見る
役割を整理するための視点
サイバー攻撃への対応を支援する組織を考えるときは、名称や印象で判断せず、誰に対して、どの段階で、どのような支援を行う役割なのかを切り分け、記述同士の関係を落ち着いて整理しましょう。
この問題で問われていること
一つの観点として、各組織の役割を「支援対象との関係性」に絞って読み取り、誰の課題に対して、どの範囲まで関与する説明なのかを確認し、名称から受ける印象とは分けて考えてください。
視点
役割を整理するときは、組織名の知識だけに頼らず、支援対象、関与する場面、提供する機能、他組織との関係を分けて読み取ります。記述が示す活動の範囲と責任の置き方に注目し、用語の連想ではなく役割の境界を比較しましょう。
確認ポイント
- 対象となる相手が誰として説明されているかを確認する
- 活動が行われる段階や場面を文章から切り分ける
- 自ら行う支援と他組織との連携の違いを整理する
正解と解説を見る
正解
エ
解説
J-CRATは、標的型サイバー攻撃を受けた組織や個人から情報を集めて分析し、攻撃の実態や被害を把握するとともに、被害拡大を防ぐ対策へ早期に着手できるよう支援する役割を担う。したがって、該当するのはエです。
理由
J-CRATの役割は、標的型サイバー攻撃を受けた組織や個人から提供された情報を分析し、社会や産業に重大な被害を及ぼす可能性のある攻撃を把握することにある。さらに被害を分析し、対策を早期に開始できるよう支援する。
比較
アは政府機関全体の情報収集・監視機能、イは参加組織間の情報共有、ウはセキュリティオペレーションサービスの普及や向上を主な内容としている。いずれもJ-CRATの役割として示された、攻撃情報の分析と被害対策支援とは異なる。
選択肢ア
これは不正解だよ。政府横断的な情報収集や監視機能を整備し、政府機関の緊急対応能力を高めるという説明は、政府全体のサイバーセキュリティ体制に関する役割である。J-CRATの、攻撃を受けた組織や個人の情報を分析し、被害把握や対策開始を支援する役割とは一致しない。
選択肢イ
これは不正解だよ。重要インフラ関連などの参加組織と秘密保持契約を結び、標的型攻撃の情報を加工して組織間で共有する活動を説明している。これは参加組織間の情報共有を目的とする仕組みであり、J-CRATの被害分析や対策の早期着手支援そのものを示したものではない。
選択肢ウ
これは不正解だよ。セキュリティオペレーション技術の向上、オペレータの育成、関係組織間の連携によってサービスの普及とレベル向上を促す内容である。これはセキュリティサービスの能力向上に関する説明であり、標的型攻撃の情報分析や被害対応支援を行うJ-CRATの役割とは異なる。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。標的型サイバー攻撃を受けた組織や個人から情報の提供を受け、その情報を分析して攻撃の把握と被害分析を行い、社会や産業への重大な被害を防ぐための対策に早く着手できるよう支援する内容である。これはJ-CRATの役割に合致する。
学習のポイント
政府横断の監視や情報共有制度と、攻撃を受けた組織への実務的な対応支援を区別する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問14(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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