SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ

平成29年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問11

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

CSMA/CD 方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    衝突発生時の再送動作によって,衝突の頻度が増すとスループットが下がる。
  2. イ
    送信要求が発生したステーションは,共通伝送路の搬送波を検出してからデータを送信するので,データ送出後の衝突は発生しない。
  3. ウ
    ハブによって複数のステーションが分岐接続されている構成では,衝突の検出ができないので,この方式は使用できない。
  4. エ
    フレームとしては任意長のビットが直列に送出されるので,フレーム長がオクテットの整数倍である必要はない。
解き方のヒントを見る

通信制御を整理する視点の基本

通信方式を考えるときは、用語の意味を個別に暗記するだけでなく、通信の開始から終了までに起こり得る事象を時系列で整理し、各処理の目的と関係を確認することが大切です。

この問題で問われていること

この問題では、方式名から連想を広げすぎず、送信側・受信側・共有される通信環境の関係に注目しながら、説明文がどの場面を対象にしているかを丁寧に読み分けてください。

視点

通信制御の説明は、誰が、いつ、何を確認し、その後にどのような判断をするのかという流れに分けて読むと整理しやすくなります。各記述の主語と時点をそろえ、目的と結果を混同しないようにします。

確認ポイント

  • 説明の主語と対象を確認する
  • 処理が行われる時点を整理する
  • 目的と結果を分けて読む
正解と解説を見る

正解

ア

解説

CSMA/CDは、通信路が空いていることを確認して送信し、送信中に衝突を検出した場合は再送する方式です。衝突が増えるほど再送や待機が増え、実効的なスループットは低下します。

理由

衝突が発生すると、送信したフレームをそのまま利用できず、再送のための時間や待機時間が必要になります。そのため、衝突頻度が高いほど通信路を有効に使える時間が減り、スループットは低下します。

比較

送信前の搬送波検出は衝突を減らすための手段ですが、同時送信などによる衝突を完全には防げません。また、CSMA/CDはハブ接続の共有媒体でも利用でき、フレームはオクテット単位で扱われるため、任意長という説明も適切ではありません。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。CSMA/CDでは、送信中に衝突を検出すると送信を中止し、一定時間待ってから再送します。衝突が頻繁に起きるほど、再送処理や待機に費やす時間が増え、正常なデータを運べる割合であるスループットは低下します。

選択肢イ

これは不正解だよ。搬送波検出は、送信前に共通伝送路が使用中かを確認する処理です。しかし、複数のステーションがほぼ同時に送信を開始する場合などは衝突が起こり得ます。したがって、データ送出後の衝突が発生しないという説明は誤りです。

選択肢ウ

これは不正解だよ。ハブで複数のステーションを同一の共有伝送路に接続する構成では、送信信号が共有されるため衝突検出の対象になります。CSMA/CDはこのような共有媒体で用いられる方式なので、ハブ接続では使用できないという説明は誤りです。

選択肢エ

これは不正解だよ。フレームをビット列として直列送信することと、フレーム長が任意のビット数でよいことは別の問題です。データリンク層のフレームは通常オクテット単位で構成されるため、フレーム長がオクテットの整数倍である必要はないという説明は誤りです。

学習のポイント

搬送波検出と衝突検出を区別し、再送によるスループット低下を理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問11(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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