SAシステムアーキテクト試験 午前Ⅰ

平成28年度秋期 システムアーキテクト 午前Ⅰ 問15

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

OpenPGP や S/MIME において用いられるハイブリッド暗号方式の特徴はどれか。

選択肢

  1. ア
    暗号通信方式として IPsec と TLS を選択可能にすることによって利用者の利便性を高める。
  2. イ
    公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式を組み合わせることによって鍵管理コストと処理性能の両立を図る。
  3. ウ
    複数の異なる共通鍵暗号方式を組み合わせることによって処理性能を高める。
  4. エ
    複数の異なる公開鍵暗号方式を組み合わせることによって安全性を高める。
解き方のヒントを見る

方式比較の着眼点

複数の仕組みを組み合わせた方式を考えるときは、それぞれが担う役割と、利用場面で重視される性質を切り分けて整理しましょう。用語の印象だけで判断せず、全体の目的との対応を確認することが大切です。

この問題で問われていること

選択肢を読む際は、方式を構成する要素ごとに、何を実現するために使われるのかという役割分担だけに注目してください。個別の手順や式を当てはめる前に、目的と担当範囲の対応を見比べます。

視点

複数の技術要素を組み合わせる方式では、各要素の役割、得られる利点、考慮すべき制約を分けて捉えると整理しやすくなります。全体として何を効率化し、どの性質を補っているかを確認しましょう。

確認ポイント

  • 役割分担が問題の目的と対応しているか
  • 利点と制約を同じ観点で混同していないか
  • 方式全体と個別要素を区別して読めているか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

ハイブリッド暗号方式は、公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式を組み合わせる方式です。共通鍵暗号でデータを効率よく暗号化し、その共通鍵を公開鍵暗号で安全に配送することで、処理性能と鍵管理上の利点を両立する。

理由

共通鍵暗号は大量のデータを高速に処理できる一方、通信相手との間で鍵を安全に共有する課題がある。公開鍵暗号はこの鍵配送に利用できるため、両者を組み合わせることで、効率と鍵管理のしやすさを両立できる。

比較

OpenPGPやS/MIMEのハイブリッド暗号方式は、IPsecやTLSを選択すること自体を指すものではありません。また、複数の共通鍵暗号方式や公開鍵暗号方式を単に組み合わせて性能・安全性を高める方式でもない。

選択肢ア

これは不正解だよ。IPsecとTLSは暗号通信に用いられる別のプロトコルや仕組みであり、公開鍵暗号と共通鍵暗号を組み合わせるハイブリッド暗号方式そのものの特徴を説明していない。選択可能にすることも本問の要点ではない。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。ハイブリッド暗号方式は、データ本体を高速な共通鍵暗号方式で処理し、その共通鍵の配送などに公開鍵暗号方式を用いる。これにより、共通鍵暗号の処理性能と公開鍵暗号の鍵管理上の利点を組み合わせられる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。複数の異なる共通鍵暗号方式を組み合わせることは、OpenPGPやS/MIMEでいうハイブリッド暗号方式の定義ではない。ハイブリッド方式は、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式という異なる種類を役割分担させる点に特徴がある。

選択肢エ

これは不正解だよ。複数の異なる公開鍵暗号方式を組み合わせて安全性を高めることが、ハイブリッド暗号方式の特徴ではない。公開鍵暗号は主に共通鍵の安全な受け渡しに使われ、データ本体の暗号化は共通鍵暗号が担う。

学習のポイント

公開鍵暗号と共通鍵暗号の長所を補完的に利用する仕組みを理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度秋期 システムアーキテクト試験 午前Ⅰ 問15(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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