PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ

令和4年度秋期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅰ 問27

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

API エコノミーの事例として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    既存の学内データベースの API を活用できる EAI(Enterprise Application Integration)ツールを使い,大学業務システムを短期間で再構築することによって経費を削減できた。
  2. イ
    自社で開発した音声合成システムの利用を促進するために,自部門で開発した API を自社内の他の部署に提供した。
  3. ウ
    不動産会社が自社で保持する顧客データを BI(Business Intelligence)ツールの API を使い可視化することによって,商圏における売上規模を分析できるようになった。
  4. エ
    ホテル事業者が,他社が公開しているタクシー配車アプリの API を自社のアプリに組み込み,サービスを提供した。
解き方のヒントを見る

事例を構造から読み解く視点

APIエコノミーの事例を検討するときは、登場する主体とAPIを介した関係に注目し、誰が何を提供し、誰が何を利用し、どのような価値の流れが生じるかを整理して考えましょう。

この問題で問われていること

一つの事例について、APIそのものの技術仕様ではなく、複数の主体の役割分担と、APIを通じて価値が受け渡される関係を確認し、事例全体の構造を捉えることに集中してください。

視点

事例を読む際は、関係する主体を分けて書き出し、それぞれが提供するもの・利用するもの・得ようとする価値を対応づけます。そのうえで、APIが主体間の接点としてどの関係に関わるかを整理します。

確認ポイント

  • 事例に登場する主体を、提供側と利用側などの役割に分けて整理できているか
  • 各主体が受け取る価値と、他者へ提供する価値のつながりを確認したか
  • APIを単独の機能ではなく、主体間の関係を支える接点として捉えているか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

APIエコノミーとは,公開されたAPIを他社や他サービスが利用し,既存の機能を組み合わせて新たなサービスを提供する考え方です。ホテル事業者が他社のタクシー配車APIを自社アプリに組み込む事例が該当します。

理由

APIエコノミーでは,APIを通じて外部の機能やデータを利用し,自社単独では持たないサービスを組み合わせて提供します。選択肢エは,ホテル事業者が他社のタクシー配車機能を自社アプリに組み込み,顧客向けサービスを拡張しているため,APIエコノミーの適切な事例です。

比較

アは既存データベースを用いた社内業務システムの再構築,イは自社内の部署間でのAPI提供,ウはBIツールを使った自社データの可視化です。いずれもAPIの利用はありますが,企業間のサービス連携によって新しい価値を提供するAPIエコノミーの典型例とは異なります。

選択肢ア

これは不正解だよ。既存の学内データベースのAPIを利用して大学業務システムを再構築し,経費を削減した事例である。APIを使ったシステム連携には該当するが,主眼は学内業務の効率化であり,複数の組織やサービスをつないで新たな提供価値を生み出すAPIエコノミーの事例とはいえない。

選択肢イ

これは不正解だよ。自部門で開発した音声合成システムのAPIを自社内の他部署に提供しているため,APIの社内共有には該当する。しかし,利用主体が同一企業内に限られており,他社のサービスや機能と組み合わせて新たな市場向けサービスを提供するAPIエコノミーの事例とは異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。不動産会社が自社で保持する顧客データを,BIツールのAPIを使って可視化し,売上規模を分析できるようにした事例である。これは自社データの分析や業務活用であり,外部のサービス機能を自社サービスに組み込んで新しい価値を提供するAPIエコノミーの中心的な例ではない。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。ホテル事業者が他社のタクシー配車アプリAPIを自社アプリに組み込み,利用者に新しいサービスを提供している。外部企業が公開した機能をAPI経由で利用し,自社のサービスと組み合わせて価値を拡張しているため,APIエコノミーの適切な事例である。

学習のポイント

社内利用,ツール利用,システム統合と,企業間のAPI連携によるサービス創出を区別する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ 問27(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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