PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ

令和4年度秋期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅰ 問17

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

スクラムのスプリントにおいて,(1)~(3)のプラクティスを採用して開発を行い,スプリントレビューの後に KPT 手法でスプリントレトロスペクティブを行った。 “KPT” の “T” に該当する例はどれか。 〔プラクティス〕 (1)ペアプログラミングでコードを作成する。 (2)スタンドアップミーティングを行う。 (3)テスト駆動開発で開発を進める。

選択肢

  1. ア
    開発したプログラムは欠陥が少なかったので,今後もペアプログラミングを継続する。
  2. イ
    スタンドアップミーティングにメンバー全員が集まらないことが多かった。
  3. ウ
    次のスプリントからは,スタンドアップミーティングにタイムキーパーを置き,終了 5 分前を知らせるようにする。
  4. エ
    テストコードの作成に見積り以上の時間が掛かった。
解き方のヒントを見る

振り返り観点の役割を見極める

スクラムの振り返りでは、チームが経験を整理し次の改善へつなげるために、いくつかの観点で意見を分類します。各観点がどのような問いに答えるためのものかを、名称の印象ではなく振り返り全体の流れの中での役割から捉えることが大切です。

この問題で問われていること

確認すべき観点は一つ、「各分類が振り返りの流れの中で何を担っているか」です。用語の響きや日常的な意味に引きずられず、その分類に入れる意見がチームのどんな判断や行動につながるのかを自分の言葉で説明できるかを確かめましょう。

視点

振り返りの分類は、意見を整理する枠です。それぞれの枠は、チームが次に何を決めるかを支えるために用意されています。枠の名前だけで覚えると、似た印象の分類どうしを取り違えやすくなります。どの手法を学ぶ場合も、まず手法の全体の目的をつかみます。そのうえで、各分類が目的のどの部分を担うかを対応付けて理解すると区別しやすくなります。

確認ポイント

  • その手法全体が、振り返りの結果としてチームに何を生み出すことを目的としているかを説明できるか
  • 各分類に入れる意見が、振り返りのどの段階で、どんな判断に使われるのかを説明できるか
  • 名称の日常的な意味ではなく、手法の中で定められた役割に基づいて分類を区別できているか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

KPTはKeep(うまくいったので続けること)、Problem(問題点)、Try(次に試す改善策)の三つに分けてふり返る手法です。次のスプリントから新しい改善行動を実施すると述べたウが「T」に該当します。

理由

KPTの「T」はTryの略で、次の期間に新しく試す具体的な改善行動を表します。ウは「次のスプリントからは」と実施時期を示し、タイムキーパーを置いて終了5分前を知らせるという新しい取組みを述べているので、Tryに当たります。

比較

アは良かったやり方(ペアプログラミング)を今後も続けるという内容なのでKeepです。イ(メンバー全員が集まらないことが多かった)とエ(テストコードの作成に見積り以上の時間が掛かった)は、スプリント中に起きた問題の事実を述べているのでProblemです。「今後も」のように未来の言葉が入っていても、既存のやり方を続けるだけならTryではない点に注意しましょう。

選択肢ア

これは不正解だよ。欠陥が少なかったという良い結果を受けて、ペアプログラミングを今後も続けるという内容なので、KPTではうまくいったことを継続する「K(Keep)」に当たるよ。「今後も」とあるので未来の行動に見えるけれど、新しく試す改善策ではなく既存のやり方を続けるだけなので、「T(Try)」ではないんだ。

選択肢イ

これは不正解だよ。スタンドアップミーティングにメンバー全員が集まらないことが多かったという、スプリント中に起きた問題の事実を述べているので「P(Problem)」に当たるよ。問題を指摘しているだけで、次に何をどう変えるかという具体的な行動は書かれていないため、「T(Try)」には当たらないんだ。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。「次のスプリントからは」と今後の実施時期を示したうえで、スタンドアップミーティングにタイムキーパーを置いて終了5分前を知らせるという、これまでになかった新しい具体的な改善行動を述べているね。次に試す取組みなので、KPTの「T(Try)」に当たるよ。

選択肢エ

これは不正解だよ。テスト駆動開発で、テストコードの作成に見積り以上の時間が掛かったという、スプリント中に起きた問題の事実を述べているので「P(Problem)」に当たるよ。見積りの見直しなどの改善行動は書かれていないため、次に試す行動を表す「T(Try)」には当たらないんだ。

学習のポイント

KPTのK・P・Tの意味を区別し、「継続」「問題の事実」「新しい改善行動」を見分けることがポイントです。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ 問17(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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