PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ

令和3年度秋期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅰ 問13

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

JIS Q 27000:2019(情報セキュリティマネジメントシステム-用語)において定義されている情報セキュリティの特性に関する説明のうち,否認防止の特性に関するものはどれか。

選択肢

  1. ア
    ある利用者があるシステムを利用したという事実が証明可能である。
  2. イ
    認可された利用者が要求したときにアクセスが可能である。
  3. ウ
    認可された利用者に対してだけ,情報を使用させる又は開示する。
  4. エ
    利用者の行動と意図した結果とが一貫性をもつ。
解き方のヒントを見る

特性の定義を観点で見分ける検討法

情報セキュリティ特性は名称が似ていても、それぞれ何を保証しようとする性質なのかが異なります。用語の印象で判断せず、各内容が何を対象に、どのような状態を確保するものかという一つの観点に絞って照合しましょう。

この問題で問われていること

この問題で確認したいのは、各特性の定義の核心が「何が、どのような状態に保たれることを指すのか」という点です。似た印象の語句に引きずられず、定義の中心にある保証内容を自分の言葉で言い直せるかを意識してください。

視点

JIS規格の用語定義は、一般的な日常語の意味とは範囲が異なる場合があります。そのため、用語名から連想するイメージではなく、定義文の主語・対象・求める状態という骨組みで捉えることが有効です。複数の特性を学ぶ際は、それぞれを一文で要約し、互いに重なる部分と異ならせている部分を自分で書き出して比較すると、区別の軸が明確になります。

確認ポイント

  • その特性が保証しようとしている対象は何かを、用語名の印象ではなく定義の中身から捉えられているか
  • 保証される状態を自分の言葉で一文に言い直し、似た特性の要約と混同していないか
  • 提示された内容の中心が、別の特性の定義とすり替わっていないかを同じ観点で照合したか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

否認防止は、主張された事象や処置が発生したこと、そしてそれを引き起こしたエンティティ(利用者など)を証明する能力です。利用の事実を証明できるとするアが該当し、イは可用性、ウは機密性、エは信頼性の説明です。

正答の理由

否認防止は、ある事象や処置が起きたこと、そしてそれを起こした主体を後から証明できるようにする特性です。『ある利用者があるシステムを利用したという事実が証明可能である』状態であれば、利用者は後から利用を否定できません。そのため、アが否認防止の説明になります。

他の特性との比較

イの『要求したときにアクセスが可能』は、必要なときに使えることを表す可用性です。ウの『認可された利用者に対してだけ使用させる又は開示する』は、情報を使える人を限定する機密性です。エの『利用者の行動と意図した結果とが一貫性をもつ』は、意図する行動と結果とが一貫していることを表す信頼性です。なお、真正性は、主体が主張どおりのものであることを表す特性で、エとは異なります。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。否認防止は、主張された事象や処置が発生したこと、そしてそれを引き起こした主体を証明する能力だよ。ある利用者があるシステムを利用した事実を証明できれば、その利用者は後から『利用していない』と否定できなくなる。だから、この説明は否認防止の特性に当たるんだ。

選択肢イ

これは不正解だよ。認可された利用者が要求したときにアクセスが可能であるという説明は、必要なときに情報やシステムを使える状態を保つ『可用性』の特性に当たるよ。行為の事実を後から証明できるかどうかという観点ではないから、否認防止の説明ではないんだ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。認可された利用者に対してだけ情報を使用させる又は開示するという説明は、認可されていない者には情報を使用させず、開示もしない『機密性』の特性に当たるよ。情報を扱える人を限定する観点であって、利用の事実を証明する否認防止とは違うんだ。

選択肢エ

これは不正解だよ。利用者の行動と意図した結果とが一貫性をもつという説明は、意図する行動と結果とが一貫していることを表す『信頼性』の特性に当たるよ。意図どおりの結果になるかという観点であって、利用の事実を証明して否認を防ぐ否認防止の説明ではないんだ。主張どおりのものであることを表す真正性とも別の特性だよ。

学習のポイント

否認防止・可用性・機密性・信頼性の定義を区別しましょう。特に、エの『行動と意図した結果の一貫性』は信頼性の説明であり、真正性(主張どおりのものであること)とは別の特性です。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ 問13(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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