PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ

令和2年度10月 プロジェクトマネージャ 午前Ⅰ 問28

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

企業システムにおける SoE (Systems of Engagement) の説明はどれか。

選択肢

  1. ア
    高可用性,拡張性,セキュリティを確保しながら情報システムを稼働・運用するためのハードウェア,ソフトウェアから構成されるシステム基盤
  2. イ
    社内業務プロセスに組み込まれ,定型業務を処理し,結果を記録することによって省力化を実現するためのシステム
  3. ウ
    データの活用を通じて,消費者や顧客企業とのつながりや関係性を深めるためのシステム
  4. エ
    日々の仕訳伝票を入力した上で,データの改ざん,消失を防ぎながら取引データベースを維持・管理することによって,財務報告を行うためのシステム
解き方のヒントを見る

分類概念は目的の軸で整理しよう

企業システムを位置付ける分類概念は、名称の印象だけで覚えると混同しやすい分野です。それぞれの概念がどの観点で企業の情報システムを区分しているのか、その区分の軸を一つ意識して読み取ることが、概念同士の違いを見分ける助けになります。

この問題で問われていること

この問題で確認したいのは、各分類概念が企業システムを何の観点から位置付けているかという一点です。その概念が企業活動のどの場面や誰の利用を想定し、何を主な狙いとして区分されているのかを、自分の言葉で言い直せるかを確かめましょう。

視点

分類概念は、ある基準を立てて対象を分けるための枠組みです。同じ企業システムでも、どの基準で見るかによって属する区分が変わることがあります。名称や略語の響きから連想するのではなく、その概念が何を基準にして区分を設けたのかという出発点に立ち返ってください。そのうえで、基準と内容が対応しているかを一つずつ照らし合わせる姿勢が大切です。

確認ポイント

  • 各概念が区分の基準として何を置いているかを、自分の言葉で言語化できるか
  • 名称や略語の印象ではなく、区分の基準に照らして内容を判断しているか
  • ある記述が、別の概念の基準で語られた内容と混ざっていないか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

SoE(Systems of Engagement)は、データを活用して消費者や顧客企業とのつながりや関係性を深めるためのシステムです。したがって、正解はウです。

理由

SoEのEngagementは、結び付きや関わり合いを意味します。SoEは、消費者や顧客企業とのやり取りから得たデータを活用し、つながりや関係性を深めることを目的とするシステムです。この内容と一致するのはウです。

比較

SoEとよく対比されるのが、SoR(Systems of Record)です。SoRは、社内の定型業務の処理結果や取引データを正確に記録・維持することを重視します。イの定型業務の処理と記録による省力化や、エの仕訳伝票と取引データベースを用いた財務報告は、SoRの性格をもつ説明です。アは、特定の目的をもつシステムではなく、それらを動かすためのシステム基盤の説明です。

選択肢ア

これは不正解だよ。高可用性・拡張性・セキュリティを確保しながら情報システムを稼働・運用するための、ハードウェアとソフトウェアから成るシステム基盤の説明だよ。基盤としての性質を述べたもので、消費者や顧客企業とのつながりを深めるというSoEの目的を表していないよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。社内業務プロセスに組み込まれ、定型業務を処理して結果を記録し、省力化を実現するシステムは、記録を重視するSoR(Systems of Record)の性格をもつよ。顧客との関係性を深めるSoEの説明とは合わないよ。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。SoE(Systems of Engagement)は、データの活用を通じて、消費者や顧客企業とのつながりや関係性を深めるためのシステムなんだ。Engagementが表す「関わり合い・結び付き」という意味とも一致していて、SoEの説明として適切だよ。

選択肢エ

これは不正解だよ。日々の仕訳伝票を入力し、データの改ざんや消失を防ぎながら取引データベースを維持・管理して財務報告を行うシステムは、正確な記録を重視するSoRの典型例だよ。顧客とのつながりを深めるSoEではないよ。

学習のポイント

SoEは「顧客とのつながりや関係性を深める」ためのシステムで、SoR(Systems of Record)は「業務や取引を正確に記録する」ためのシステムです。この対比を押さえておきましょう。また、選択肢アのような高可用性・拡張性・セキュリティを備えたシステム基盤は、SoEやSoRのような目的による分類とは観点が違う点にも注意が必要です。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ 問28(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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