PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ

平成28年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅰ 問5

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

仮想サーバの運用サービスで使用するライブマイグレーションの概念を説明したものはどれか。

選択肢

  1. ア
    仮想サーバで稼働しているOSやソフトウェアを停止することなく,他の物理サーバへ移し替える技術である。
  2. イ
    データの利用目的や頻度などに応じて,データを格納するのに適したストレージへ自動的に配置することによって,情報活用とストレージ活用を高める技術である。
  3. ウ
    複数の利用者でサーバやデータベースを共有しながら,利用者ごとにデータベースの内容を明確に分離する技術である。
  4. エ
    利用者の要求に応じてリソースを動的に割り当てたり,不要になったリソースを回収して別の利用者のために移し替えたりする技術である。
解き方のヒントを見る

技術用語の対象と目的を見極める

仮想化の運用技術は名称が似ていても、何を対象にし、何を達成するための仕組みなのかが異なります。用語の字面ではなく、その技術が解決しようとする課題に着目して、提示された内容と照らし合わせる姿勢で検討しましょう。

この問題で問われていること

この問題で確認したいのは、各用語が「何のための技術か」という目的の軸です。運用上のどのような課題に対応する概念なのかを自分の言葉で説明できるかを基準にして、提示された記述との整合を一つずつ確かめてください。

視点

運用技術を区別するときは、仕組みの細部より先に「その技術がなければ運用上どんな困りごとが起きるか」を考えると整理しやすくなります。目的が明確になれば、似た名称の概念どうしでも役割の違いが見えてきます。記憶した定義文をそのまま当てはめるのではなく、目的という一つの軸で自分なりに説明し直してから、提示された内容と照合してください。

確認ポイント

  • 各用語について、それが対応しようとする運用上の課題を自分の言葉で一文にまとめられるか
  • 名称の響きや部分的な語句の一致だけで判断せず、目的の軸で記述内容と照合しているか
  • 目的の説明が曖昧な用語があれば、その用語を使わない場合に何が困るかを考えて確かめたか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

ライブマイグレーションとは、仮想サーバ上で稼働しているOSやソフトウェアを止めずに、別の物理サーバへ移し替える技術です。したがって正答はアです。イはストレージの自動階層化、ウはマルチテナント、エはリソースの動的割当ての説明です。

理由

ライブマイグレーションでは、稼働中の仮想サーバのメモリ内容などの実行状態を別の物理サーバへ転送し、処理を止めずに移し替えます。物理サーバの保守、ハードウェアの更新、負荷分散などの際にサービスを止めずに済むため、仮想サーバの運用サービスで使われています。アの「OSやソフトウェアを停止することなく、他の物理サーバへ移し替える」という記述は、この概念そのものです。

比較

イはデータを利用目的や頻度に応じて適したストレージへ自動で配置する技術で、ストレージの自動階層化にあたります。ウは複数の利用者でサーバやデータベースを共有しながらデータを分離する技術で、マルチテナントにあたります。エは要求に応じてリソースを割り当てたり回収したりする技術で、リソースの動的割当て(プロビジョニング)にあたります。どれも稼働中の仮想サーバを物理サーバ間で移す技術ではありません。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。ライブマイグレーションは、仮想サーバ上で稼働中のOSやソフトウェアを止めずに、メモリ内容などの実行状態を別の物理サーバへ転送して移し替える技術だよ。物理サーバの保守や負荷分散のときもサービスを止めずに済むので、仮想サーバの運用サービスで使われているんだ。この選択肢の記述は、その概念とぴったり一致しているよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。データの利用目的や頻度に応じて、適したストレージへ自動で配置するのは、ストレージの自動階層化(ティアリング)の説明だよ。この技術が扱うのはデータの格納先で、稼働中の仮想サーバそのものを別の物理サーバへ移す技術ではないから、ライブマイグレーションの概念には当たらないよ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。複数の利用者でサーバやデータベースを共有しながら、利用者ごとにデータを分離するのは、マルチテナント方式の説明だよ。資源を共有しつつ分離して効率よくサービスを提供する考え方で、稼働中の仮想サーバを止めずに他の物理サーバへ移し替える技術ではないから、ライブマイグレーションには当たらないよ。

選択肢エ

これは不正解だよ。利用者の要求に応じてリソースを動的に割り当て、不要になったリソースを回収して別の利用者へ回すのは、リソースの動的割当て(プロビジョニング)の説明だよ。「移し替え」という言葉は出てくるけれど、対象はCPUやメモリなどの資源をどの利用者に割り当てるかで、稼働中の仮想サーバを物理サーバ間で移動する技術ではないよ。

学習のポイント

仮想化・クラウドの運用技術について、それぞれの用語が何を対象にしているかを区別して覚えることが大切です。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ 問5(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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