PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ

平成22年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅰ 問27

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

“技術の S カーブ” の説明として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    技術の期待感の推移を表すものであり,黎明期,流行期,反動期,回復期,安定期に分類される。
  2. イ
    技術の進歩の過程を表すものであり,当初は緩やかに進歩するが,やがて急激に進歩し,成熟期を迎えると進歩は停滞気味になる。
  3. ウ
    工業製品において生産量と生産性の関係を表すものであり,生産量の累積数が増加するほど生産性は向上する傾向にある。
  4. エ
    工業製品の故障発生の傾向を表すものであり,初期故障期間では故障率は高くなるが,その後の偶発故障期間での故障率は低くなり,製品寿命に近づく摩耗故障期間では故障率は高くなる。
解き方のヒントを見る

成熟度と性能を切り分ける視点

技術の成熟度を評価するときは、導入の進み具合と性能の伸びを同じ尺度で扱わず、両者がどのような時間軸や評価条件で語られているかを整理して丁寧に考えることが重要です。

この問題で問われていること

この問題では、技術が普及・安定していく過程と、性能が改善していく過程を混同せず、示された説明がどの評価軸と前提条件に基づいているかを一つずつ確かめる点に注目してください。

視点

成熟度と性能は関連して語られますが、同じ概念とは限りません。説明を読む際は、何が評価対象で、どの時点・条件で比較されているかを区別し、因果関係を早合点せずに整理しましょう。

確認ポイント

  • 成熟度と性能が同じ評価軸で述べられていないか
  • 比較する時点や前提条件がそろっているか
  • 説明に因果関係と単なる同時変化の区別があるか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

技術のSカーブは、技術の進歩度合いが時間とともにどのように変化するかを示します。初期は進歩が緩やかで、発展段階で伸びが大きくなり、成熟すると伸びが鈍化する。

理由

技術のSカーブは、技術の進歩の過程を表します。導入初期は進歩が緩やかだが、技術が発展すると進歩が急になり、成熟期には進歩が停滞気味になるため、全体としてS字状の変化になる。

比較

アは技術への期待感の推移、ウは累積生産量と生産性の関係、エは製品の故障発生傾向を説明している。それぞれ別の概念であり、技術の進歩過程を表すSカーブとは対象が異なる。

選択肢ア

これは不正解だよ。この記述は、技術に対する期待感が移り変わる段階を分類した説明であり、黎明期から安定期までの名称もSカーブの進歩過程とは異なる。Sカーブでは、技術そのものの進歩の度合いが時間とともにどう変化するかを捉える。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。技術の進歩は、初期には成果が現れにくく緩やかだが、発展すると進歩が急になり、成熟後は伸びが鈍る。このように進歩の度合いが時間経過に対してS字状に変化するという説明は、技術のSカーブの意味と一致する。

選択肢ウ

これは不正解だよ。この記述は、工業製品について累積生産量が増えるほど生産性が向上する傾向を説明しており、技術の進歩過程そのものを表していない。生産量と生産性の関係を示す考え方と、技術のSカーブは対象が異なる。

選択肢エ

これは不正解だよ。この記述は、製品の初期故障、偶発故障、摩耗故障という故障率の時間的な傾向を説明している。故障の発生傾向を示す曲線であり、技術の進歩が初期から成熟まで変化するSカーブの説明ではない。

学習のポイント

Sカーブと、期待感・生産性・故障率を表す曲線の違いを整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅰ 問27(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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