NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ
令和6年度春期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅱ 問10
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア宛先IPアドレス
- イ宛先MACアドレス
- ウ生存時間(TTL)
- エ送信元ポート番号
解き方のヒントを見る
ヘッダー項目は機能から考える
ヘッダーの各項目は、プロトコルが提供する機能を実現するために置かれています。項目名を暗記で照合するより、その項目がどの機能を支えるかを考え、その機能が両方のプロトコルに必要かどうかという一つの観点で検討すると整理しやすくなります。
この問題で問われていること
問われているのは、二つのプロトコルの設計方針の違いがヘッダー構成にどう表れるかです。各項目について『この情報がないと何ができなくなるか』を自問し、両者に共通して必要な役割かどうかを判断する視点が中心になります。
視点
プロトコルのヘッダーは、そのプロトコルが担う役割を果たすために必要な情報を運ぶ入れ物です。同じ層に属するプロトコルでも、どこまでの機能を引き受けるかという設計方針が異なれば、必要な情報も変わります。そのため、ある項目が両方に存在するかどうかは、その項目が支える機能を両方のプロトコルが必要としているかどうかと対応して考えられます。項目の名前だけで判断せず、役割に置き換えてから比較すると、共通するものと片方にしかないものを区別しやすくなります。
確認ポイント
- 検討している項目が、通信のどの機能を支えるためのものかを自分の言葉で一文にできるか確認する
- その機能を二つのプロトコルのそれぞれが担っているかを、各プロトコルの設計方針から判断できるか確認する
- 名称が似ている、または聞き覚えがあるという理由だけで共通かどうかを決めていないか見直す
正解と解説を見る
正解
エ
解説
TCPとUDPはともにトランスポート層のプロトコルで、送信元ポート番号と宛先ポート番号をヘッダーに持つ。宛先IPアドレスとTTLはIPヘッダー、宛先MACアドレスはデータリンク層のヘッダーに属するため、両方のヘッダーに存在する項目ではありません。
理由
TCPとUDPはいずれもトランスポート層で動作し、通信するアプリケーション側のポートを示す情報をヘッダーに含める。送信元ポート番号は、そのTCPセグメントまたはUDPデータグラムを送信した側のポート番号を示すものであり、通信を開始した側に限定されない。したがって、両者に共通する。
比較
宛先IPアドレスと生存時間(TTL)はIPヘッダーの項目であり、TCPやUDPのヘッダーにはない。宛先MACアドレスは同一ネットワーク内でフレームを届けるデータリンク層の情報です。このため、これらはTCPとUDPの両方に共通するヘッダー項目ではありません。
選択肢ア
これは不正解だよ。宛先IPアドレスは、ネットワーク層でパケットの宛先を示すIPヘッダーの項目である。TCPやUDPはその上位で利用されるトランスポート層のプロトコルなので、このアドレスがTCP・UDPそれぞれのヘッダーに含まれるわけではない。
選択肢イ
これは不正解だよ。宛先MACアドレスは、同一ネットワーク内でフレームを届ける相手を示すデータリンク層の情報である。TCPとUDPのヘッダーはトランスポート層に属するため、MACアドレスを共通項目として持たない。
選択肢ウ
これは不正解だよ。生存時間(TTL)はIPパケットが中継される回数を制限するためのIPヘッダー項目であり、ルータで処理される情報である。TCPやUDPのヘッダーに含まれる項目ではないため、両方に存在するものとはいえない。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。送信元ポート番号は、TCPセグメントまたはUDPデータグラムを送信した側のポート番号を示す。TCPとUDPはいずれもトランスポート層のプロトコルで、ポート番号を使って通信相手のアプリケーションを識別するため、この項目を共通して持つ。
学習のポイント
プロトコルごとのヘッダー項目と所属層を整理して覚える。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問10(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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