NWネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ
令和4年度春期 ネットワークスペシャリスト 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
判断の前提をそろえて考える
ネットワークの更改を考えるときは、判断の前提がそろっているかに注目しましょう。与えられた情報の中で、明示されている条件と自分で補った想定を区別し、想定だけを根拠に結論を急がないことが大切です。
この問題で問われていること
この問題では、検討の途中で前提を無意識に足していないかを確かめてみましょう。知っている事例をそのまま当てはめず、今考えている判断が、与えられたどの条件に基づくのかを振り返ることが手掛かりになります。
視点
前提とは、判断の土台として置いている条件です。情報として示された条件と、経験や知識から補った想定を分けておくと、考えの根拠を確認しやすくなります。
確認ポイント
- 判断の根拠にした条件は明示されているか
- 経験から補った想定が紛れ込んでいないか
- 考える途中で前提を置き換えていないか
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解説
工場のOTシステムと事務所のITシステムを、ルーティングによる分離の解除を避けながら連携させる問題です。FTAの認証・認可、NPBによるパケット複製、ミラーポートの帯域制約と保存容量の計算が要点です。
問題の全体像
A社は、分離していた工場と事務所を接続し、USBメモリによるファイル移送を廃止するとともに、測定データのリアルタイム可視化と長期保存を実現します。セグメント間ではルーティングを行わず、ファイルの受渡しにFTA、測定パケットの複製にNPBを利用します。公式解答例の出題趣旨では、ITシステムとOTシステムの接続を題材に、認証、認可、パケット転送の知識・経験を問うとされています。
設問1(1)(a)
「イベント通知を転送する標準規格(RFC 5424)」と、ログデータの転送に使うという記述に着目します。公式解答例では「Syslog」です。機器やサーバが生成したログを収集先へ転送するプロトコルとして捉えます。採点講評では、ログ収集は故障時やセキュリティインシデント発生時の分析によく用いられるため、名称だけでなく内容の理解も求めています。
設問1(1)(b)
Basic認証のBase64によるエンコードと対比して、MD5やSHA-256によるハッシュ化が示されています。公式解答例では「ダイジェスト」です。ダイジェスト認証は、パスワードそのものではなく、パスワードやサーバから提示された値などを用いて計算したダイジェストで認証する方式です。Base64によるエンコードとハッシュ化を区別することがポイントです。
設問1(1)(c)
「HTTPのメソッドでトンネリング通信を提供する」という記述に着目します。公式解答例では「CONNECT」です。クライアントはプロキシサーバにCONNECTで接続先を指定し、確立されたトンネルを通じて通信します。本文では、そのトンネルの接続先ポートを443に限定していると読み取れます。
設問1(2)
外部からアクセスされるサーバが侵入を受けた後、被害がOAセグメントへ広がる場面を考えます。DMZをFWで独立させることで、侵入されたサーバからOAセグメントの機器へのアクセスを制限できます。公式解答例では、社外からサーバに侵入されたときにOAセグメントの機器へ侵入されるリスクを挙げています。40字以内の答案では「公開サーバへの侵入を足掛かりにOAセグメントの機器へ侵入されるリスク」とまとめられます。
設問2(1)
既存の内部メールサーバとプロキシサーバが、ユーザ認証のためにLDAPサーバを参照するという記述に着目します。FTAもこの認証情報の管理先を参照すれば、利用者の認証を一元的に管理できます。公式解答例では、図2の字句を用いた「LDAPサーバ」です。内部メールサーバは認証情報を参照する側であることを区別します。
設問2(2)
図2では、FTAは管理セグメントとOAセグメントの両方に直接接続されています。一方、制御サーバは制御セグメントと管理セグメントの間でルーティングを行わず、FTAにも静的経路や経路制御プロトコルを設定しません。そのため、FTAへアクセスできるのは直接接続された二つのセグメントです。公式解答例では「管理セグメント、OAセグメント」です。
設問2(3)(認証)
下線③の認証は、FTAへログインする利用者が誰であるかを確認するために使われます。ファイルを取得できるか、承認できるかという権限の判断とは区別します。公式解答例では「FTAの利用者が本人であることを確認するため」で、25字以内の答案として示せます。採点講評でも、認証と認可をまとめて覚えるだけでなく、違いを理解することが求められています。
設問2(3)(認可)
本文では、指定された受信者だけがファイルをダウンロードでき、設定された上長だけが承認できるとされています。これらは、利用者に各操作の実行権限があるかを判断する認可の例です。公式解答例では「操作ごとに実行権限を有するかを確認するため」で、25字以内に収まります。本人確認を終えたことだけで、全ての操作が許可されるわけではありません。
設問3(1)
宛先MACアドレスがMACアドレステーブルに学習されていない場合の動作が問われています。L2SWは転送先を特定できないため、受信ポートを除く同一VLAN内の各ポートへフレームを転送します。この動作を、公式解答例では「フラッディング」としています。入力ポートと出力ポートの組合せを事前に設定するNPBとの違いを押さえます。
設問3(2)
送信側と受信側の双方をミラーする設定と、NPBにつながるケーブルが全て1000BASE-SXである点を合わせて読みます。L2SW方式では、双方向の複製を一つのミラーポートから出力するため、合計帯域が1Gビット/秒に制限されます。タップ方式では方向ごとにNPBの入力ポートを使用します。公式解答例の要点は、送受信の合計が1Gビット/秒までという制約です。40字以内では「送信側と受信側を合計して1Gビット/秒までしか取り込めない」と示せます。採点講評でも、このボトルネックを本文全体から読み取ることが求められています。
設問3(3)
コントローラが測定データを制御サーバへ常時送信するという記述に着目します。複数のコントローラからの測定データは、制御セグメントのL2SWから制御サーバへ向かうポートに集まります。そのポートをミラー元にすれば、1ポートの設定で測定データを取得できます。公式解答例では、接続装置の名称として「制御サーバ」です。
設問3(4)(モード)
NPBが送るのは、コントローラと制御サーバの通信を複製したミラーパケットです。その宛先MACアドレスは、受信する可視化サーバやキャプチャサーバ自身のMACアドレスとは限りません。これらのフレームも受信するため、インタフェースを宛先MACアドレスによる通常の受信制限を外すモードに設定します。公式解答例では「プロミスキャス」です。
設問3(4)(フレーム)
プロミスキャスモードにすると、自分を宛先としないユニキャストフレームも受信できるようになります。公式解答例では「宛先MACアドレスが自分のMACアドレス以外のフレーム」とされています。30字以内の答案では「自分以外のMACアドレスを宛先とするフレーム」と示せます。ミラーによって受信ポートへ届くことと、インタフェースがそのフレームを受け入れることを区別します。
設問3(5)
平均100kビット/秒を100、000ビット/秒に換算し、保存期間を秒に直します。1、000日×86、400秒/日=86、400、000秒なので、総データ量は100、000ビット/秒×86、400、000秒=8、640、000、000、000ビットです。8で割ると1、080、000、000、000バイト、さらに1Gバイト=10⁹バイトで割ると1、080Gバイトになります。公式解答例の「1、080」と一致します。100、000×1、000×86、400÷8の結果は1、080、000、000、000バイトであり、途中計算と最終解答をこの値で整合させます。
学習のポイント
図と本文から通信経路を読み取り、認証と認可の違い、双方向ミラーの帯域制約、ビットとバイトの換算を理解しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度春期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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