NWネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ
平成30年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
障害時の判断に使う前提をそろえる
障害がある状況を考えるときは、判断の前提が途中で変わっていないかに注目しましょう。通信や監視について考える際も、与えられた条件と自分が補った想定を区別し、同じ前提の下で検討を進めます。
この問題で問われていること
検討の焦点は、判断を支える条件が、与えられた情報に基づいているかという点です。思いついた見通しについても、明示されていない想定を加えていないかを確かめ、前提をそろえて考えましょう。
視点
前提は、判断を行う土台となる条件です。与えられた条件と、経験や印象から補った想定を区別して整理すると、検討の途中で条件が入れ替わっていないかを確かめやすくなります。
確認ポイント
- 判断の根拠となる条件を確認したか
- 明示された条件と自分の想定を区別したか
- 検討の途中で前提を変えていないか
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解説
本問では、VRRPによるデフォルトゲートウェイの冗長化と、STPによる経路切替を理解した上で、再構築中に監視通知が届かない問題を考えます。ポーリングの検知遅延、トラップの到達確認の欠如を整理し、インフォームを経路復旧まで再送する改善策につなげることが要点です。
問題の全体像
A社では、二つのケーブルが同時に断線し、PCからファイルサーバを利用できなくなりました。ケーブル1の断線は検知できましたが、ケーブル2の断線通知は、STPによる経路切替の途中で監視サーバに届きませんでした。公式の出題趣旨では、VRRPやSTPによる冗長化、ICMP・SYSLOG・SNMPによる監視の基本技術と、監視上の問題を改善する考え方を問うとしています。通信経路の復旧と、障害通知の到達を結び付けて読むことが重要です。
設問1(ア)
本文の「RFC 792」と「echo request」に着目します。pingはICMPのEcho Requestを送り、Echo Replyによって応答を確認します。公式解答例では「ICMP」です。SYSLOGに用いるトランスポートプロトコルとは区別して覚えましょう。
設問1(イ)
問われているのは、echo requestパケットの宛先として監視対象機器に割り当てる情報です。IPネットワーク上で対象機器へパケットを送るには、宛先となるIPアドレスが必要です。公式解答例では「IPアドレス」です。図1にはレイヤ2スイッチもありますが、ping監視を受けるためのIPアドレスは必要になります。
設問1(ウ)
本文は、SYSLOGが使用するトランスポートプロトコルを「RFC 768」で指定しています。公式解答例では「UDP」です。この事例のSYSLOG通知では到達確認や再送が保証されないため、経路切替中に送信した通知が失われる問題につながります。
設問1(エ)
本文の「SNMPv2c」と「同じグループであることを示す」という記述に着目します。SNMPv2cでは、コミュニティによって管理情報を共有するグループを識別します。公式解答例では「コミュニティ」です。採点講評では、この基本用語の正答率が低かったとされており、SNMPの動作と合わせて押さえる必要があります。
設問2(1)
「PC及びサーバに設定する情報に着目して」という指定が手掛かりです。端末が別のネットワークへ通信するときに利用するデフォルトゲートウェイを、VRRPによって冗長化します。端末は仮想IPアドレスを利用し、その役割をマスタルータが担います。公式解答例では「デフォルトゲートウェイ」で、15字以内の答案ではこの対象名を答えます。
設問2(2)
本文では、正常時のマスタルータをコアSW1、バックアップルータをコアSW2としています。バックアップルータは、マスタルータが送信するVRRPアドバタイズメントを監視し、一定時間受信できなくなるとマスタルータへ切り替わります。公式解答例では「VRRPアドバタイズメント」です。採点講評では、別のプロトコルを説明した答案が目立ったとされており、VRRP固有のメッセージ名を15字以内で答えることがポイントです。
設問2(3)
図1では、コアSWのp1がVLAN100、p2がVLAN200、p3がVLAN300のアクセスポートです。両コアSWを結ぶp4は、それらのVLANのフレームを運ぶトランクポートなので、三つ全てを設定対象として拾います。公式解答例では「VLAN100、VLAN200、VLAN300」です。図中の一つの接続先だけに着目せず、p1~p3のVLANを確認しましょう。
設問3(1)
図2で、フロアSW2のp2はフロアSW1と接続されています。ケーブル1が断線すると、フロアSW1はコアSW1側からのBPDUを受信できなくなり、その経路に基づくBPDUをフロアSW2へ送れなくなります。したがって、BPDUを受信しなくなるフロアSW2のポートは、公式解答例の「p2」です。状態がブロッキングからフォワーディングへ遷移するp1と、受信が途絶えるp2を区別します。
設問3(2)
ケーブル1が断線した直後、代替経路にあるフロアSW2のp1は、リスニング、ラーニングを経てフォワーディングへ移ります。その途中では通常のデータフレームを転送できず、フロアSW1がケーブル2の断線に伴って送ったSYSLOG通知は監視サーバに届きません。公式解答例では「スパニングツリーが再構築中だったから」です。25字以内の答案では、指定語句と再構築中という原因を押さえます。
設問4(1)(SNMPエージェント)
SNMPエージェントは、監視対象機器上で管理情報を提供し、状態変化を通知する側です。本文の監視対象は、コアSW、サーバSW、フロアSWです。公式解答例では、コアSW1・コアSW2・フロアSW1~フロアSW4・サーバSWのいずれかを挙げています。設問は一つを求めているので、図1の機器名で「フロアSW1」など一つを答えます。
設問4(1)(SNMPマネージャ)
SNMPマネージャは、エージェントに管理情報を問い合わせ、通知を受信して監視する側です。A社では監視サーバがこの役割を担います。公式解答例では「監視サーバ」です。エージェントが監視対象側、マネージャが監視する側という関係を、図1の機器に対応させます。
設問4(2)(ポーリング)
本文の「5分ごと」という定期的な問合せに着目します。問合せの直後に異常が起きると、次の問合せまで状態を取得できず、検知が遅れます。公式解答例では「5分ごとに状態を取得するので多くの場合異常検知が遅れる。」です。35字以内の答案では、取得間隔と検知遅延の関係を示します。採点講評でも、監視方式の特徴に基づく説明が求められています。
設問4(2)(トラップ)
トラップは状態変化時に直ちに送信されますが、受信側からの到達確認がありません。今回のようにSTPの再構築中に通知が失われても、送信側は受信できたかを確認できません。公式解答例では「到達確認がないのでメッセージが失われる可能性がある。」です。35字以内の答案では、到達確認がないという特徴と、通知が失われる可能性を結び付けます。
設問4(3)
本文では、インフォームは確認応答が得られなければ再送すると説明されています。今回の障害に備えるには、スパニングツリーの再構築が完了して通知経路が使えるようになるまで、再送を継続できる設定が必要です。公式解答例では「スパニングツリーが再構築するまでインフォームの再送信を繰り返す。」です。40字以内の答案では、再構築完了まで再送するという動作を押さえます。採点講評でも、何を問われているかを正しく理解するよう求めており、単に確認応答や再送の一般論を書くのではなく、この障害の継続時間との関係を示すことが重要です。
学習のポイント
VRRPとSTPの役割を区別し、障害時の通知経路を図から追う力と、SNMPの各監視方式の検知時期・到達確認・再送動作を重点的に学習しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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