NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ

平成30年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅱ 問20

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

TLSに関する記述のうち,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    TLSで使用するWebサーバのディジタル証明書にはIPアドレスの組込みが必須なので,WebサーバのIPアドレスを変更する場合は,ディジタル証明書を再度取得する必要がある。
  2. イ
    TLSで使用する共通鍵の長さは,128ビット未満で任意に指定する。
  3. ウ
    TLSで使用する個人認証用のディジタル証明書は,ICカードにも格納することができ,利用するPCを特定のPCに限定する必要はない。
  4. エ
    TLSはWebサーバと特定の利用者が通信するためのプロトコルであり,Webサーバへの事前の利用者登録が不可欠である。
解き方のヒントを見る

TLSを整理するための確認視点

TLSに関する設問では、用語の印象だけで判断せず、通信のどの場面を説明しているか、誰と誰の間の関係を扱っているか、説明の範囲がどこまでかに注目して丁寧に整理します。

この問題で問われていること

選択肢を読む際は、説明の対象となる通信の段階と、守ろうとしている性質の対応関係だけに焦点を絞り、問題文の主語・対象・述語が同じ範囲を指しているか確認してください。

視点

TLSを学ぶときは、個々の用語を単独で暗記するより、通信の流れの中で何が説明対象になっているかを切り分けます。設問の主語、対象、目的を対応づけ、同じ観点で各記述を読み比べると、理解のずれを見つけやすくなります。

確認ポイント

  • 通信のどの場面を説明しているかを読み取る
  • 説明の対象と関係者の範囲をそろえる
  • 主語・対象・述語の対応が崩れていないか確かめる
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

TLSではサーバ証明書の識別情報、暗号化に用いる鍵の長さ、個人認証用証明書の格納方法、利用者登録の要否をそれぞれ区別して考える必要がある。個人認証用証明書はICカードなどにも格納でき、利用PCを一台に限定する必須条件はない。

理由

個人認証用のディジタル証明書はICカードに格納できる。証明書を利用できる環境は構成によって設定できるが、TLSの仕組みとして利用PCを特定の一台に限定する必要はない。

比較

サーバ証明書はIPアドレスだけを必須情報とするものではなく、共通鍵の長さを128ビット未満に任意指定するという説明も不適切です。また、TLSは特定利用者との通信だけに限定されず、事前登録を必須条件とするプロトコルでもない。

選択肢ア

これは不正解だよ。TLSのサーバ証明書には、一般にサーバ名など通信相手を確認するための情報が含まれるが、IPアドレスの組込みが必須とは限らない。そのため、WebサーバのIPアドレスを変更しただけで、必ず証明書を再取得する必要があるとはいえない。

選択肢イ

これは不正解だよ。共通鍵の長さは暗号方式や安全性、運用上の要件に応じて決めるものであり、128ビット未満で任意に指定するという説明は適切ではない。鍵長を短くすれば、総当たり攻撃への耐性が低下する問題もある。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。個人認証用のディジタル証明書は、ICカードなどの媒体に格納して利用できる。証明書を適切に管理して認証に用いる構成であれば、TLSの仕組み上、利用するPCを特定の一台に限定する必要はない。

選択肢エ

これは不正解だよ。TLSはWebサーバと特定の利用者だけが通信するためのプロトコルではなく、通信内容の暗号化や相手の認証などを行う。したがって、TLSを利用するためにWebサーバへの事前の利用者登録が不可欠とはいえない。

学習のポイント

TLSの証明書と鍵、個人認証の仕組みを役割ごとに整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問20(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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