NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅰ

令和3年度春期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅰ 問21

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

マスタファイル管理に関するシステム監査項目のうち,可用性に該当するものはどれか。

選択肢

  1. ア
    マスタファイルが置かれているサーバを二重化し,耐障害性の向上を図っていること
  2. イ
    マスタファイルのデータを複数件まとめて検索・加工するための機能が,システムに盛り込まれていること
  3. ウ
    マスタファイルのメンテナンスは,特権アカウントを付与された者だけに許されていること
  4. エ
    マスタファイルへのデータ入力チェック機能が,システムに盛り込まれていること
解き方のヒントを見る

監査項目が防ぐリスクを見極める

マスタファイルに関する監査項目は、手続きの名前や作業内容の表面だけでは観点を判断しにくいものです。その項目が実施されなかった場合にどのような不具合が起こり得るかを考え、狙いを見極めてから観点と照らし合わせましょう。

この問題で問われていること

各監査項目について、その手続きがなかった場合に想定される失敗の姿を自分の言葉で具体的に描き、その失敗がどの信頼性の観点を損なうものなのかを結び付けて考えられるかが、この問題で確認したい着眼点です。

視点

信頼性の観点は、統制の手段ではなく、統制が守ろうとする性質によって区別されます。似たチェック作業に見えても、目的が異なれば該当する観点も異なり得ます。そのため、言葉の印象で判断せず、統制が欠けたときに起こる結果から逆算して狙いを捉える姿勢が有効です。

確認ポイント

  • その監査項目が行われなかったら、マスタにどのような問題が生じ得るかを具体的に想像したか
  • 想定した問題が、各観点の定義のどれに当てはまるかを自分の言葉で説明できるか
  • 手続きの名称や似た語句の印象だけで観点を決めつけていないか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

可用性は、必要なときに情報やシステムを利用できる状態を保つ性質です。マスタファイルが置かれているサーバを二重化して耐障害性を高める項目は、障害が起きても利用を続けられるようにするものなので、正答はアです。

理由

アはサーバの二重化によって、片方が故障してもマスタファイルを使った処理を続けられるようにする対策です。必要なときに利用できる状態を保つことが可用性なので、この項目は可用性の監査に当たります。

比較

イのまとめて検索・加工する機能は、業務処理の機能面や効率に関する項目です。ウの特権者だけにメンテナンスを許す管理は、不正な変更を防ぐ完全性に主に関係します。エの入力チェック機能は、誤ったデータの登録を防いでデータの正確さを保つ完全性に関係します。どれも障害時の継続利用を確かめるものではありません。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。サーバを二重化すると、片方のサーバに障害が起きても、もう片方でマスタファイルを使った処理を続けられます。必要なときに情報やシステムを利用できる状態を保つことが可用性なので、耐障害性の向上を確かめるこの監査項目は可用性に該当します。

選択肢イ

これは不正解だよ。複数件のデータをまとめて検索・加工する機能は、業務処理を効率よく行えるかという機能面や効率性に関する項目です。障害が起きても利用を続けられるかという可用性を確かめるものではないため、可用性の監査項目には当たりません。

選択肢ウ

これは不正解だよ。マスタファイルのメンテナンスを特権アカウントを付与された者だけに許すのは、権限のない者がデータを変更するのを防ぐための管理です。マスタファイルの内容を正しく保つ完全性に主に関係する項目であり、障害時に利用を続けられるかという可用性を確かめるものではありません。

選択肢エ

これは不正解だよ。データ入力チェック機能は、誤ったデータがマスタファイルに登録されるのを防ぎ、データの正確さを保つための仕組みです。これは完全性(正確性)に関係する監査項目であり、システムを止めずに使い続けられるかという可用性とは観点が異なります。

学習のポイント

監査項目を、可用性・完全性・機能や効率のどれに関係するかで分類する力を身につけよう

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度春期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅰ 問21(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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