NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅰ

令和元年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅰ 問7

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

キャパシティプランニングの目的の一つに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    応答時間に最も影響があるボトルネックだけに着目して,適切な変更を行うことによって,そのボトルネックの影響を低減又は排除することである。
  2. イ
    システムの現在の応答時間を調査し,長期的に監視することによって,将来を含めて応答時間を維持することである。
  3. ウ
    ソフトウェアとハードウェアをチューニングして,現状の処理能力を最大限に引き出して,スループットを向上させることである。
  4. エ
    パフォーマンスの問題はリソースの過剰使用によって発生するので,特定のリソースの有効利用を向上させることである。
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運用管理活動の目的を捉える視点

運用管理の活動を学ぶときは、その活動で何をするかという手段と、最終的に何を実現したいのかという目的を分けて考えることが大切です。問われている内容がどちらの水準の話なのかを意識して検討しましょう。

この問題で問われていること

この分野では、ある運用活動がなぜ必要とされるのかという根本の狙いを自分の言葉で説明できるかが問われやすいです。作業内容の細部より、その活動が組織やサービスにもたらす価値の観点から考えてみてください。

視点

運用管理に関する用語は、具体的な作業の名前として覚えがちですが、どの活動にも『何のために行うのか』という目的があります。目的と、それを達成するための手段や作業を同じものとして扱うと、判断を誤りやすくなります。学習の際は、活動の名前だけでなく、その活動が最終的に守ろうとしているもの・実現しようとしているものを意識して整理すると理解が深まります。

確認ポイント

  • その活動を行わなかった場合に何が困るのかを想像し、活動の狙いを自分の言葉で説明できるか
  • 取り上げられている事柄が、活動の目的そのものなのか、目的を達成するための手段や作業なのかを区別できているか
  • 自分が整理した目的を一文で述べたとき、それが単なる作業内容の言い換えになっていないかを見直せたか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

キャパシティプランニングは、現在の応答時間や資源の使用状況を調査して長期的に監視し、将来の負荷増加も考えて必要な処理能力を確保し、応答時間などのサービスレベルを維持することを目的とする。そのため正答はイになる。

理由

キャパシティプランニングでは、現在の応答時間や資源の使用率を測定し、継続して監視して負荷の傾向をつかみます。そのうえで将来の需要を予測し、必要な資源を計画的に確保します。こうして、将来にわたって応答時間などのサービスレベルを維持します。選択肢イの「現在の応答時間を調査し、長期的に監視することによって、将来を含めて応答時間を維持する」はこの目的と一致します。

比較

アはボトルネックだけに着目した性能改善、ウは現状の処理能力を最大限に引き出すチューニング、エは特定リソースの有効利用の向上を述べています。どれも今あるシステムの性能を改善する手法やその一部の説明です。必要な処理能力を見通して計画するキャパシティプランニングの目的としては適切ではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。応答時間に最も影響があるボトルネックだけに着目して変更し、その影響を減らしたりなくしたりするのは、ボトルネック分析や性能改善の考え方だよ。キャパシティプランニングは特定の一点だけではなく、システム全体の資源とその推移を見て必要な能力を計画する活動だから、目的の説明としては範囲が狭すぎるんだ。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。キャパシティプランニングは、現在の応答時間や資源の使用状況を調べ、長期的に監視して負荷の増え方を把握し、将来の需要にも必要な処理能力を確保して応答時間などのサービスレベルを維持することを目的の一つにしているよ。この記述はその目的と一致しているんだ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。ソフトウェアとハードウェアをチューニングして現状の処理能力を最大限に引き出し、スループットを上げるのはパフォーマンスチューニングの説明だよ。キャパシティプランニングの中心は、今ある能力を絞り出すことではなく、需要の見通しに合わせて必要な資源の量を見積もり計画することだから、目的としては適切ではないんだ。

選択肢エ

これは不正解だよ。性能問題の原因をリソースの過剰使用と決めつけて、特定のリソースの有効利用を向上させるのは、個別の資源を最適化するチューニングの話だよ。性能問題は資源不足などさまざまな原因で起こり得るし、キャパシティプランニングは特定の資源に限らずシステム全体で必要な能力を計画する活動だから、適切ではないんだ。

学習のポイント

キャパシティプランニング(将来を含めて必要な資源を計画すること)と、パフォーマンスチューニングやボトルネック対策(今ある能力を改善すること)の違いを理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和元年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅰ 問7(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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