NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅰ

平成30年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅰ 問27

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

IoT がもたらす効果を“監視”,“制御”,“最適化”,“自律化”の 4 段階に分類すると,IoT によって工場の機械の監視や制御などを行っているシステムにおいて,“自律化”の段階に達している例はどれか。

選択肢

  1. ア
    機械に対して,保守員が遠隔地の保守センタからインターネットを経由して,機器の電源のオン・オフなどの操作命令を送信する。
  2. イ
    機械の温度や振動データをセンサで集めて,インターネットを経由してクラウドシステム上のサーバに蓄積する。
  3. ウ
    クラウドサービスを介して,機械同士が互いの状態を常時監視・分析し,人手を介すことなく目標に合わせた協調動作を自動で行う。
  4. エ
    クラウドシステム上に常時収集されている機械の稼働情報を基に,機械の故障検知時に,保守員が故障部位を分析して特定する。
解き方のヒントを見る

事例の働きを段階の定義と照合する

IoTの効果を段階で分ける考え方では、各段階の定義が何を区別の基準にしているかを押さえることが大切です。事例の記述から、データを使って実際に何が行われているかを読み取り、定義と一つずつ照らし合わせましょう。

この問題で問われていること

問われているのは、事例に書かれた工場システムがどの段階に当たるかを判断する力です。システム名や使われている機器ではなく、取得したデータがその後どう扱われ、どこまでの判断や動作につながっているかに注目して読み解きましょう。

視点

段階分類では、センサやネットワークの使い方が似ていても、得られた情報をどう活かすかによってシステムの位置付けが変わります。機器構成の規模や目新しさに引きずられないことが大切です。情報の取得から結果の反映までの流れを記述の中から拾い出し、分類の定義がどの部分を区別の決め手にしているかと突き合わせることが、検討の中心になります。

確認ポイント

  • 各段階の定義が、何を基準に隣の段階と区別しているかを自分の言葉で説明できるか
  • 事例の記述から、データを取得した後に行われている処理や行動を抜き出せたか
  • 抜き出した内容を定義と照合する際に、記述に書かれていない働きまで補って判断していないか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

正解はウです。機械同士がクラウドサービスを介して互いの状態を常時監視・分析し、人手を介さずに目標に合わせた協調動作を自動で行うので、最上位の“自律化”に当たります。ア・イ・エは監視や制御の段階にとどまります。

理由

“自律化”とは、監視・制御・最適化の働きを土台にして、システムや機械が自ら状況を判断し、人手を介さずに動作する段階です。ウは機械同士が互いの状態を常時監視・分析し、目標に合わせた協調動作を自動で行っているので、この段階に当たります。

比較

イはセンサデータの収集と蓄積だけなので“監視”の段階です。アは保守員が遠隔から電源オン・オフなどの操作命令を送るので“制御”の段階です。エは収集したデータを使っていますが、故障部位の分析と特定は保守員が行っています。そのため、ア・イ・エはどれも“自律化”には達していません。

選択肢ア

これは不正解だよ。保守員が遠隔地の保守センタからインターネット経由で、電源オン・オフなどの操作命令を送る例だね。遠くから機械を操作しているので“制御”の段階に当たるよ。ただ、操作を判断して指示しているのは保守員なので、機械やシステムが自分で判断して動く“自律化”には達していないんだ。

選択肢イ

これは不正解だよ。センサで機械の温度や振動データを集めて、インターネット経由でクラウドシステム上のサーバに蓄積する例だね。機械の状態を把握する“監視”の段階に当たるよ。データを集めてためるだけで、その情報を使って機械を動かしたり、自分で判断したりする処理は含まれていないから“自律化”ではないんだ。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。クラウドサービスを介して機械同士が互いの状態を常時監視・分析し、人手を介さずに目標に合わせた協調動作を自動で行う例だね。監視・分析の結果を基に、機械自身が判断して動作まで行っているので、4段階の最上位である“自律化”に達しているといえるよ。

選択肢エ

これは不正解だよ。クラウドシステム上に常時収集されている稼働情報を基に、故障を検知したときに保守員が故障部位を分析して特定する例だね。データの収集と故障検知は監視の働きで、分析と特定という判断は保守員が担っているよ。機械が自分で判断して動く要素はないから“自律化”には達していないんだ。

学習のポイント

IoTの4段階の定義と、判断や操作を人とシステムのどちらが行っているかの見分け方

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅰ 問27(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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