NWネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅰ

平成21年度秋期 ネットワークスペシャリスト 午前Ⅰ 問5

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

フェールセーフの考え方として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    システムに障害が発生したときでも,常に安全側にシステムを制御する。
  2. イ
    システムの機能に異常が発生したときに,すぐにシステムを停止しないで機能を縮退させて運用を継続する。
  3. ウ
    システムを構成する要素のうち,信頼性に大きく影響するものを複数備え,システムの信頼性を高める。
  4. エ
    不特定多数の人が操作しても,誤動作が起こりにくいように設計する。
解き方のヒントを見る

信頼性設計の考え方を目的で見分ける

信頼性設計にはいくつかの考え方があり、名前だけで覚えると混同しやすい分野です。それぞれが何を前提とし、どんな状況で何を優先する設計なのかという一つの軸に揃えて、自分の言葉で整理してから問題に向き合いましょう。

この問題で問われていること

この問題で確認したいのは、フェールセーフという用語が信頼性設計の考え方全体の中でどこに位置付くかです。他の考え方と比べるときに、設計が働く場面と優先する事柄を同じ観点で並べて比べられるかが鍵になります。

視点

信頼性設計の用語は、字面が似ているため印象で判断すると取り違えやすくなります。今回は観点を一つに絞り、各用語が何を最も優先する設計なのかだけに注目しましょう。学習した内容を思い出しながら、各用語の優先事項を一文ずつ書き出します。書き出した文を同じ観点で並べると、用語同士の違いがはっきりします。

確認ポイント

  • 各用語について、その設計が最も優先している事柄を自分の言葉で一文にできるか確認する。
  • 優先する事柄を比べるとき、用語の字面の印象ではなく設計の意図に基づいて判断しているか見直す。
  • 選ぼうとしている答えが、自分が学んだフェールセーフの優先事項と矛盾していないか照らし合わせる。
正解と解説を見る

正解

ア

解説

フェールセーフは、システムに障害が起きたときに安全な側へ制御して被害の拡大を防ぐ考え方です。そのため、正答はアです。イはフェールソフト、ウは冗長化、エはフールプルーフの説明にあたります。

正答の理由

フェールセーフは、故障や障害が起きることを前提に、そのときシステムを安全な状態の側へ移して危険や被害の拡大を防ぐ設計思想です。たとえば、信号機が故障したら赤を表示する、機械が異常を検知したら停止する、といった設計が該当します。アの「障害が発生したときでも、常に安全側にシステムを制御する」はこの定義に合うため、正答はアです。

ほかの用語との比較

イの「停止せずに機能を縮退させて運用を続ける」はフェールソフトで、サービスを続けることを優先します。ウの「重要な構成要素を複数備えて信頼性を高める」は冗長化で、故障しても機能を保つフォールトトレランスの手法の一つです。エの「不特定多数が操作しても誤動作が起こりにくいように設計する」はフールプルーフで、人の誤操作への対策です。どれも信頼性に関わる考え方ですが、障害時に安全側へ制御するというフェールセーフの定義とは目的や対象が異なります。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。フェールセーフは、故障や障害が起きたときにシステムを安全な状態の側へ制御して、被害の拡大を防ぐ考え方だよ。信号機が故障したら赤を表示する、異常を検知した機械が停止する、といった設計が代表例だね。選択肢の「障害が発生したときでも、常に安全側にシステムを制御する」はこの定義そのものだよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。機能に異常が起きたとき、すぐにシステムを停止しないで機能を縮退させて運用を続けるのは、フェールソフトの考え方だよ。フェールソフトは、処理能力や機能を落としてでもサービスを続けることを優先するのが特徴なんだ。障害時に安全側へ制御することを主眼とするフェールセーフとは、目的が異なるよ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。信頼性に大きく影響する構成要素を複数備えて信頼性を高めるのは、冗長化の考え方だよ。冗長化はフォールトトレランスを実現する手法の一つで、予備の要素を用意して、一部が故障しても機能を保つことを狙っているんだ。障害時にシステムを安全側へ制御するというフェールセーフの定義とは異なるよ。

選択肢エ

これは不正解だよ。不特定多数の人が操作しても誤動作が起こりにくいように設計するのは、フールプルーフの考え方だよ。人が誤った操作をしたり操作に慣れていなかったりすることを前提に、誤った操作をできない、またはしにくい仕組みを設けるものなんだ。障害発生時に安全側へ制御するフェールセーフとは、対象とする場面が異なるよ。

学習のポイント

フェールセーフ・フェールソフト・冗長化・フールプルーフを、想定する場面と目的の違いで区別できるようにしましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅰ 問5(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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