DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ

令和5年度秋期 データベーススペシャリスト 午前Ⅰ 問23

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

バックキャスティングの説明として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    システム開発において,先にプロジェクト要員を確定し,リソースの範囲内で優先すべき機能から順次提供する開発手法
  2. イ
    前提として認識すべき制約を受け入れた上で未来のありたい姿を描き,予想される課題や可能性を洗い出し解決策を検討することによって,ありたい姿に近づける思考方法
  3. ウ
    組織において,下位から上位への発議を受け付けて経営の意思決定に反映するマネジメント手法
  4. エ
    投資戦略の有効性を検証する際に,過去のデータを用いてどの程度の利益が期待できるかをシミュレーションする手法
解き方のヒントを見る

計画立案手法の前提と成果物を見極める

計画立案や将来予測の考え方は、名称が似ていても、何を前提として出発し、最終的に何を得ようとするのかが異なります。用語の響きに頼らず、各考え方の前提と得られる成果物の組合せを自分の言葉で整理してから判断しましょう。

この問題で問われていること

この問題で問われているのは、計画立案の考え方ごとの違いを、名称ではなく中身で区別できるかどうかです。問題で示されている内容が、どのような前提から出発し、何を得る考え方に当たるのかという一点に絞って照らし合わせてください。

視点

経営戦略や将来予測の分野には、目的の似た計画立案の考え方が複数あり、混同しやすいものです。学習の際は、個々の特徴を暗記するより先に「出発点として何を置くのか」「検討の結果として何が得られるのか」という共通の物差しを用意します。各考え方をその物差しの上で並べ直すと、違いが見えやすくなります。

確認ポイント

  • 示されている内容が、何を出発点として置いている考え方なのかを確認する
  • その考え方を用いた結果、何が得られることを目的としているのかを確認する
  • 名称の印象ではなく、出発点と得られるものの組合せで当てはまるかを確認する
正解と解説を見る

正解

イ

解説

バックキャスティングは、制約を前提として受け入れた上で未来のありたい姿を先に描き、そこから予想される課題や可能性を洗い出して解決策を検討し、ありたい姿に近づける思考方法だよ。したがって正解はイだね。

理由

バックキャスティングは、まず将来のありたい姿(目標となる状態)を描き、そこから現在を振り返って、到達までに必要な課題や解決策を検討する思考方法だよ。前提となる制約を受け入れた上でありたい姿を描き、課題や可能性を洗い出して解決策を考えるイの説明がこれに当たるね。

比較

反対の考え方に、現在の状況やデータを起点にして延長線上の将来を予測するフォアキャスティングがあるよ。アはリソースを先に固めて優先機能から順次提供する開発の進め方、ウはボトムアップ型のマネジメント手法、エは過去のデータで投資戦略を検証するバックテストの説明で、どれもバックキャスティングではないよ。特にエは「バック」という語が共通しているので混同に注意しよう。

選択肢ア

これは不正解だよ。先にプロジェクト要員を確定し、そのリソースの範囲内で優先すべき機能から順次提供するのは、リソースを固定して提供する機能の範囲を調整する開発の進め方の説明だよ。未来のありたい姿を描いてそこから解決策を検討する思考方法ではないので、バックキャスティングには当たらないよ。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。バックキャスティングは、前提として認識すべき制約を受け入れた上で未来のありたい姿を先に描き、そこから予想される課題や可能性を洗い出して解決策を検討し、ありたい姿に近づける思考方法だよ。現在の延長線上で将来を予測するフォアキャスティングとは、考え始める起点が逆になる点が特徴だね。

選択肢ウ

これは不正解だよ。組織において下位から上位への発議を受け付けて経営の意思決定に反映するのは、ボトムアップ型のマネジメント手法の説明だよ。組織内での意思決定の流れを表すもので、未来のありたい姿を起点に課題や解決策を検討する思考方法ではないので、バックキャスティングには当たらないよ。

選択肢エ

これは不正解だよ。投資戦略の有効性を検証する際に、過去のデータを用いてどの程度の利益が期待できるかをシミュレーションするのは、バックテストの説明だよ。「バック」という語が共通していて紛らわしいけれど、これは過去のデータで検証する手法で、未来のありたい姿から逆算して解決策を考えるバックキャスティングとは別物だよ。

学習のポイント

未来像を起点に逆算するバックキャスティングと、現在の延長で考える方法や名前が似た過去データ検証手法(バックテスト)との違い

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ 問23(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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