DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ
平成30年度春期 データベーススペシャリスト 午前Ⅰ 問13
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- アWeb サイトからの受信データのうち,実行ファイルを削除し,その他のデータを PC に送信する。
- イWeb サイトからの受信データのうち,不正なコード列が検知されない通信だけを PC に送信する。
- ウWeb サイトからの受信データを処理して VDI サーバで生成したデスクトップ画面の画像データだけを PC に送信する。
- エWeb サイトからの受信データを全て IPsec でカプセル化し,PC に送信する。
解き方のヒントを見る
仮想デスクトップと端末の境界を考える
Web閲覧用の仮想デスクトップ基盤が防御にどう寄与するかを考えるときは、処理が行われる場所と、利用者端末との間でやり取りされるものを分けて捉えましょう。そのうえで、各内容がその区別と整合するかを落ち着いて確かめることが大切です。
この問題で問われていること
問われているのは、仕組み全体の特徴を整理することです。どの構成要素がWebとの通信を担い、手元の端末にはどのような影響が及び得るのかという役割分担の観点に絞りましょう。提示された内容を一つずつ照らし合わせてください。
視点
仮想デスクトップ基盤は、利用者の端末とは別の環境で作業を行わせる構成の総称です。セキュリティ対策としての効果を考えるときは、環境と環境の「境界」に目を向けると整理しやすくなります。境界の両側でそれぞれ何が実行され、境界を越えて何が行き来するのかを意識して読み解いてください。
確認ポイント
- Webとの通信や処理が、どの環境で行われる前提になっているかを確かめる
- 利用者端末と仮想環境の間で、何がやり取りされる構成なのかに注目する
- その境界の捉え方と矛盾する内容がないかを、一つずつ照らし合わせる
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
VDIサーバ上のブラウザがWebサイトのデータを受信・処理し、PCには生成された画面の画像データだけを送ります。Webコンテンツ自体がPCに届かないため、未知のマルウェアでもPCへのダウンロードと感染を防げます。正答はウです。
正答の理由
PCからDMZ上のVDIサーバにあるWebブラウザを操作すると、Webサイトとの通信、コンテンツの受信、スクリプトの実行などはすべてVDIサーバ内で行われます。PCが受け取るのは、VDIサーバが生成したデスクトップ画面の画像データだけです。そのため、Webサイトにマルウェアが仕込まれていても、そのファイルやコードがPCにダウンロードされることはありません。マルウェアが未知で検知できなくても、PCの感染を防ぐ効果が期待できます。したがって正答はウです。
他の方式との比較
アの実行ファイルの削除やイの不正コード列の検知は、受信データを中身で選別して、その他のデータはPCへ送る方式です。実行ファイル以外の形式の攻撃や、検知パターンにない未知のマルウェアはすり抜ける恐れがあります。エのIPsecは経路上の盗聴や改ざんを防ぐ技術で、中身のデータはそのままPCに届きます。どれも、受信データそのものをPCに渡さないというVDIの特徴にはあたりません。
選択肢ア
これは不正解だよ。実行ファイルを削除しても、文書ファイルのマクロやスクリプト、ブラウザやビューアの脆弱性を突くデータのように、実行ファイル以外の形式でも悪意あるコードは届き得るよ。その他のデータはPCにそのまま送られるから、未知のマルウェアのダウンロードと感染を防ぐ効果を生むVDIの特徴とは言えないんだ。
選択肢イ
これは不正解だよ。不正なコード列を検知する方式は、既知の攻撃パターンなどに基づく判定が中心だよ。未知のマルウェアは検知されずに「不正なコード列が検知されない通信」としてPCに送られてしまう恐れがあるんだ。だから、問題文が求める未知のマルウェアへの効果を生むVDIの動作の特徴ではないよ。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。Webサイトからのデータの受信と処理はDMZ上のVDIサーバ内のブラウザで行われ、PCには生成されたデスクトップ画面の画像データだけが送られるよ。Webコンテンツ自体がPCに届かないから、マルウェアが未知で検知できなくてもPCにダウンロードされず、感染を防ぐ効果が期待できるんだ。
選択肢エ
これは不正解だよ。IPsecは、通信経路上の暗号化、改ざん検知、通信相手の認証によって盗聴や改ざんを防ぐ仕組みだよ。カプセル化しても中身の受信データはそのままPCに届くので、マルウェアが含まれていればPCにダウンロードされてしまうんだ。だから感染を防ぐ効果は生まれないよ。
学習のポイント
Web閲覧をVDIで分離する方式では、Webサイトから受信した実データをPCに渡さず、VDIサーバで描画した画面の画像データだけを転送します。この点が、検知に頼る対策や通信経路を暗号化する対策との大きな違いです。問題文にある「未知のマルウェア」は既知のパターンでは検知できないため、中身を判定しなくても効果が出る仕組みかどうかを見極めることが重要です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ 問13(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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