DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ

平成28年度春期 データベーススペシャリスト 午前Ⅰ 問20

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

IT サービスマネジメントのプロセスの一つである構成管理を導入することによって得られるメリットはどれか。

選択肢

  1. ア
    IT リソースに対する,現在の需要の把握と将来の需要の予測ができる。
  2. イ
    緊急事態においても最低限の IT サービス基盤を提供することによって,事業の継続が可能になる。
  3. ウ
    構成品目の情報を正確に把握することによって,他のプロセスの確実な実施を支援できる。
  4. エ
    適正な費用で常に一定した品質での IT サービスが提供されるようになる。
解き方のヒントを見る

効果の帰属先となるプロセスを見極める

ITサービスマネジメントでは複数のプロセスが連携して成果を生みます。ある効果がどのプロセスの活動から直接生じるものかを意識し、関連する他の活動の効果と混同していないかを落ち着いて確かめることが検討の軸になります。

この問題で問われていること

問われているのは、ある管理活動を導入したときに得られる効果の位置付けです。その活動が扱う対象と目的を自分の言葉で説明できるかを確かめ、その範囲から自然に導かれる効果かどうかという一つの観点で考えてみましょう。

視点

ITサービスマネジメントの各プロセスには、それぞれ固有の目的と管理対象があります。あるプロセスの導入効果を考えるときは、次の二つを区別して捉えることが大切です。一つはそのプロセス自身の活動から得られる結果です。もう一つは、他のプロセスが中心となって担う活動から得られる結果です。プロセス同士は互いに支え合っているため、関連する効果が混ざって見えやすくなります。どの活動が主体となって生み出す効果なのかという軸で整理すると、判断の混乱を避けやすくなります。

確認ポイント

  • 対象となる管理活動の目的と管理対象を、自分の言葉で一文にまとめられるか確認する
  • 検討している効果が、その活動の範囲内から生じるものか、別の活動が主に担うものかを区別する
  • 用語の印象だけで判断せず、効果とその活動との結び付きを根拠付きで説明できるか確かめる
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

構成管理は、構成品目(CI)の情報を正確に把握・維持するプロセスです。その情報は、インシデント管理や変更管理など他のプロセスの確実な実施を支えます。したがって正解はウです。

理由

構成管理は、ハードウェア、ソフトウェア、文書などの構成品目(CI)とその相互関係の情報を、構成管理データベース(CMDB)などで正確に記録・維持するプロセスです。正確な構成情報は、インシデント管理での原因調査、問題管理での根本原因分析、変更管理での影響範囲の評価、リリース管理での展開対象の確認などに利用されます。そのため、構成管理を導入すると、他のプロセスの確実な実施を支援できます。これがウの内容です。

比較

アの「現在の需要の把握と将来の需要の予測」は、主にキャパシティ管理の目的です。イの「緊急事態でも最低限のITサービス基盤を提供し事業を継続」は、サービス継続管理(IT継続性管理)の目的です。エの「適正な費用で常に一定した品質」は、ITサービスマネジメント全体が目指す成果や、サービスレベル管理・財務管理などに関わる内容です。いずれも構成管理に固有のメリットとは言えません。

選択肢ア

これは不正解だよ。ITリソースについて、現在の需要を把握し将来の需要を予測するのは、主にキャパシティ管理の目的だよ。構成管理は構成品目の情報を正確に維持するプロセスで、需要の予測そのものを目的とはしていないんだ。構成情報が予測の材料になることはあっても、構成管理を導入して得られる固有のメリットとしては合わないね。

選択肢イ

これは不正解だよ。緊急事態でも最低限のITサービス基盤を提供して事業の継続を可能にするのは、サービス継続管理(IT継続性管理)の目的だよ。構成管理は構成品目の情報を正確に把握・維持するプロセスで、災害時の代替基盤の準備や復旧計画の策定を主な目的とはしていないから、構成管理のメリットとしては当てはまらないよ。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。構成管理は、ハードウェア、ソフトウェア、文書などの構成品目(CI)とその関係の情報を、CMDBなどで正確に記録・維持するプロセスだよ。正確な構成情報は、インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理などで影響範囲の調査や判断の根拠として使われるから、これらのプロセスの確実な実施を支援できるんだ。

選択肢エ

これは不正解だよ。適正な費用で常に一定した品質のITサービスを提供することは、ITサービスマネジメント全体が目指す成果や、サービスレベル管理・財務管理に関わる目的として語られる内容だよ。構成管理は構成品目の情報を正確に維持するプロセスだから、費用と品質の安定を直接もたらす固有のメリットとして説明するのは適切ではないよ。

学習のポイント

構成管理の対象(構成品目・CMDB)と、他プロセスとの関係を押さえ、キャパシティ管理やサービス継続管理などの目的と区別すること。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ 問20(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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