DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ

平成27年度春期 データベーススペシャリスト 午前Ⅰ 問13

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

JIS Q 31000:2010 (リスクマネジメント-原則及び指針)における,残留リスクの定義はどれか。

選択肢

  1. ア
    監査手続を実施しても監査人が重要な不備を発見できないリスク
  2. イ
    業務の性質や本来有する特性から生じるリスク
  3. ウ
    利益を生む可能性に内在する損失発生の可能性として存在するリスク
  4. エ
    リスク対応後に残るリスク
解き方のヒントを見る

用語定義は中心語で見分ける

リスク関連の用語は似た言葉が多く、印象だけで判断すると取り違えやすい分野です。定義の文が最終的に何を指しているのか、その中心となる語に注目し、行為なのか結果なのか対象なのかを自分の言葉で言い直してから比べると整理しやすくなります。

この問題で問われていること

この問題で意識したいのは、用語の名前と定義文とを結び付ける際の手掛かりです。語感の近さではなく、定義の文が何を主語・目的語として述べているかを確かめ、その用語が扱う範囲と一致しているかを自分で検証する姿勢が求められます。

視点

規格で定められる用語は、日常語としての意味とずれていることがあります。そのため、名前から連想するのではなく、定義の文がどのような種類のものを説明しているかを見極めることが大切です。たとえば、何かを行う活動を述べているのか、活動の結果として得られるものを述べているのか、ある性質や度合いを述べているのかといった区別を意識すると、似た名前の用語どうしでも混同しにくくなります。

確認ポイント

  • 定義の文の最後に置かれている中心の語が、活動・結果・性質などのどれに当たるかを確認したか
  • 用語の名前から受ける印象ではなく、定義の内容そのものを根拠にして判断したか
  • 自分の言葉で言い直した意味が、その用語の扱う範囲と過不足なく合っているかを確かめたか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

JIS Q 31000:2010では、残留リスクを「リスク対応後に残るリスク」と定義しているので、正解はエだよ。アは発見リスク、イは固有リスク、ウは利益と損失の両方の可能性を伴う投機的リスクの説明なんだ。

正答の理由

リスク対応でリスクの回避や低減などを行っても、リスクを完全にゼロにできるとは限らないよ。JIS Q 31000:2010では、リスク対応の後に残るリスクを残留リスクと呼んでいるんだ。組織は残留リスクが受容できる水準かを確認し、モニタリングを続ける必要があるよ。

他の用語との比較

アは監査の分野で使う発見リスクで、監査手続で重要な不備を見逃す可能性を指すよ。イは業務そのものに内在する固有リスクで、対応前の状態を表しているんだ。ウは、利益を生む可能性と損失が生じる可能性が表裏一体になった投機的リスクの説明だよ。どれも「対応後に残る」という時点に着目した定義ではないんだ。

選択肢ア

これは不正解だよ。これは監査リスクモデルでいう発見リスクの説明だよ。監査人が監査手続を実施しても、重要な不備を見逃してしまう可能性を指していて、監査がどれだけ有効かに関わる概念なんだ。残留リスクは、組織がリスク対応を行った後になお残るリスクのことだから、監査人の発見能力に着目したこの説明とは視点が違うよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。業務の性質や本来持っている特性から生じるリスクは、一般に固有リスクと呼ばれるよ。統制や対応を行う前から、業務そのものに内在しているリスクを表しているんだ。残留リスクはリスク対応を行った後に残るリスクなので、対応前の状態を表す固有リスクとは、指している時点が逆になるよ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。利益を生む可能性に内在する損失発生の可能性とは、利益と損失のどちらの結果にもなり得る投機的リスクの説明だよ。新規事業や投資のように、得をする可能性と損をする可能性が表裏一体になっている性質に着目した分類なんだ。リスク対応の後に何が残るかという定義ではないので、残留リスクには当たらないよ。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。JIS Q 31000:2010では、残留リスクを「リスク対応後に残るリスク」と定義しているよ。回避や低減などの対応を行っても、リスクを完全にゼロにすることは普通できず、一部は残るんだ。この残ったリスクを把握して、受容できる水準かを確認しながらモニタリングを続けることが、リスクマネジメントでは大切だよ。

学習のポイント

残留リスクは対応後、固有リスクは対応前というように、リスク用語が指す時点と視点を区別しよう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ 問13(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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