DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ

平成26年度春期 データベーススペシャリスト 午前Ⅰ 問14

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

ディジタルフォレンジックスの説明として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    あらかじめ設定した運用基準に従って,メールサーバを通過する送受信メールをフィルタリングすること
  2. イ
    サーバに対する外部からの攻撃や不正なアクセスを防御すること
  3. ウ
    磁気ディスクなどの書換え可能な記憶媒体を単に初期化するだけではデータを復元できる可能性があるので,任意のデータ列で上書きすること
  4. エ
    不正アクセスなどコンピュータに関する犯罪の法的な証拠性を確保できるように,原因究明に必要な情報の保全,収集,分析をすること
解き方のヒントを見る

用語の目的から意味を見極める

セキュリティ用語は似た言葉が多く、表面的な単語の印象だけで判断すると取り違えやすい分野です。その用語が指す活動が何を目的として行われるのかという一点に絞って、自分の理解を整理してから問題に向き合いましょう。

この問題で問われていること

問われているのは用語の意味の識別です。候補となる内容それぞれについて、その活動が何を達成するために行われるものかを自分の言葉で言い表し、用語が本来担う目的と一致しているかどうかを照らし合わせる姿勢が大切です。

視点

セキュリティ対策に関わる用語は、同じ出来事や同じ情報を扱っていても、何のために行うのかによって別の名前が付けられています。扱う対象や使う道具が似ていても、目的が違えば別の概念になります。目的を軸に用語を区別する習慣をつけると、混同を防ぎやすくなります。

確認ポイント

  • 用語が指す活動の目的を、自分の言葉で一文にまとめられるか
  • 扱う対象や手段が似ているというだけで、同じ意味だと判断していないか
  • 検討している内容が目指すものと、用語の目的が一致しているか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

ディジタルフォレンジックスとは、不正アクセスなどコンピュータに関わる犯罪や事故について、法的な証拠として使えるように原因の究明に必要な情報を保全・収集・分析することで、正解はエです。ほかの選択肢は、メールフィルタリング、不正アクセスの防御、媒体のデータ消去の説明です。

理由

forensicsは「法廷の」「科学捜査の」という意味を持つ語です。ディジタルフォレンジックスは、事件や事故が起きたあとに、ログや記憶媒体などのディジタルデータを改ざんされないように保全し、収集・分析して、原因究明と法的な証拠性の確保につなげる手法・技術です。選択肢エの「法的な証拠性を確保できるように、原因究明に必要な情報の保全、収集、分析をすること」はこの定義と一致します。

比較

アは運用基準に基づいてメールをふるい分けるメールフィルタリング、イは外部からの攻撃や不正なアクセスを防ぐ防御策(ファイアウォールなど)、ウは初期化だけでは復元されるおそれがあるデータを上書きして消す媒体のデータ消去です。どれも予防や情報漏えい対策の活動で、証拠を保全して分析する活動ではありません。特にウは残っているデータを復元できなくする行為なので、情報を保全するフォレンジックスとは目的が逆です。

選択肢ア

これは不正解だよ。あらかじめ決めた運用基準に従って、メールサーバを通る送受信メールをふるい分けるのはメールフィルタリングの説明だよ。迷惑メールや不適切な送信を日常の運用で抑える対策で、犯罪の証拠となる情報を保全・収集・分析する活動ではないから、ディジタルフォレンジックスの説明には当たらないよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。サーバへの外部からの攻撃や不正なアクセスを防ぐのは、ファイアウォールやIPSなどによる防御策の説明だよ。被害を前もって防ぐことが目的なので、起きた事象の原因を究明し、法的な証拠性を確保するディジタルフォレンジックスとは、目的も行う局面も違うよ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。初期化するだけではデータを復元できるおそれがあるので任意のデータ列で上書きする、というのは、媒体を廃棄・再利用するときのデータ消去(上書き消去)の説明だよ。残っているデータを復元できなくする行為なので、情報を保全して証拠として分析するディジタルフォレンジックスとは逆向きの活動だよ。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。ディジタルフォレンジックスは、不正アクセスなどコンピュータに関わる犯罪や事故が起きたときに、法的な証拠性を確保できるよう、ログや記憶媒体など原因究明に必要な情報を保全・収集・分析する手法・技術のことだよ。forensicsは「法廷の・科学捜査の」という意味で、この選択肢の説明と一致するよ。

学習のポイント

フォレンジックス(法廷の・科学捜査の、という意味)と、防御策・データ消去などほかの対策用語との違いを押さえる。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ 問14(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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