DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ

平成26年度春期 データベーススペシャリスト 午前Ⅰ 問12

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

認証局が侵入され,攻撃者によって不正な Web サイト用のディジタル証明書が複数発行されたおそれがある。どのディジタル証明書が不正に発行されたものか分からない場合,誤って不正に発行されたディジタル証明書を用いた Web サイトにアクセスしないために利用者側で実施すべき対策はどれか。

選択肢

  1. ア
    Web サイトのディジタル証明書の有効期限が過ぎている場合だけアクセスを中止する。
  2. イ
    Web サイトへのアクセスログを確認し,ドメインが Whois データベースに登録されていない場合だけアクセスする。
  3. ウ
    当該認証局の CP(Certificate Policy)の内容を確認し,セキュリティを考慮している内容である場合だけアクセスする。
  4. エ
    ブラウザで当該認証局を信頼していない状態に設定し,Web サイトのディジタル証明書に関するエラーが出た場合はアクセスを中止する。
解き方のヒントを見る

信頼の起点と対策の作用範囲を見極める

証明書の安全性は、発行元をどこまで信頼できるかに依存します。発行元が損なわれたとき、どの信頼関係が崩れたのかを整理し、検討する対策がその崩れた部分に実際に作用するかどうかという一つの観点で判断してみましょう。

この問題で問われていること

問われているのは、利用者の立場から見て、侵害の影響が及ぶ範囲と、講じる手段が働く範囲が一致しているかどうかです。侵害とは無関係な部分だけを変える手段になっていないかを意識して検討しましょう。

視点

公開鍵証明書の正当性は、発行者の署名を検証し、その発行者を信頼の起点までたどることで確認されます。どこか一か所の信頼が失われると、そこに依存するものの信頼性も揺らぎます。対策を考えるときは、何が信頼できなくなったのか、その影響はどこまで連鎖するのか、利用者側で制御できるのはどの部分か、を順に言葉にすると整理しやすくなります。

確認ポイント

  • 侵害によって信頼できなくなった対象が何かを、自分の言葉で特定できているか
  • その信頼の喪失が、どの範囲の証明書や通信にまで連鎖して影響するかを考えたか
  • 検討している手段が利用者側で実行でき、かつ崩れた信頼の部分に直接作用するかを確かめたか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

どの証明書が不正か特定できない場合は、侵入された認証局そのものをブラウザで信頼しない設定にします。そのうえで証明書エラーが出たらアクセスを中止するエが正解です。

理由

ブラウザは、信頼する認証局が署名した証明書を正当なものとして扱います。不正な証明書が侵入された認証局の署名付きで発行されていると、個々の証明書を見ても不正かどうかは分かりません。そこで当該認証局を信頼しない状態に設定します。すると、その認証局が発行した証明書を使うWebサイトではブラウザが証明書エラーを出すので、そこでアクセスを中止すれば、不正な証明書を使ったサイトへ誤ってアクセスすることを防げます。この場合、同じ認証局が正しく発行した証明書でもエラーになります。ただ、区別できない以上、まとめて信頼しない扱いにするのが安全側の対応です。

比較

アの有効期限の確認では、期限内の不正な証明書を見分けられません。イのWhoisはドメインの登録情報を調べる仕組みで、証明書が不正かどうかは判断できません。しかも、登録されていないドメインだけにアクセスするという条件は不自然です。ウのCPは認証局の運用方針を定めた文書なので、侵入されて不正な証明書が発行されたという事実を打ち消すものではありません。

選択肢ア

これは不正解だよ。侵入された認証局から新たに発行された不正な証明書は、有効期限内であることが十分に考えられるよ。期限切れのときだけアクセスを中止する方法では、有効期限内の不正な証明書を使うWebサイトにそのままアクセスしてしまうんだ。だから、どれが不正か分からない状況の対策にはならないよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。Whoisデータベースはドメインの登録情報を調べる仕組みで、証明書が不正に発行されたかどうかは判断できないよ。それに「登録されていない場合だけアクセスする」という条件では、素性の分からないドメインを選ぶことになってしまうんだ。安全性を高める対策にはならないよ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。CP(Certificate Policy)は、認証局が証明書をどんな方針で発行・運用するかを定めた文書だよ。CPの内容がセキュリティを考慮していても、その認証局自体が侵入されて不正な証明書が発行された今回の状況では、個々の証明書が正規か不正かは見分けられないんだ。だから、CPを確認するだけでは防げないよ。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。どの証明書が不正か特定できないなら、侵入された認証局の証明書をまとめて信頼しないのが確実だよ。ブラウザで当該認証局を信頼しない状態に設定すると、その認証局が発行した証明書を使うサイトで証明書エラーが出るんだ。そこでアクセスを中止すれば、不正な証明書を使ったWebサイトへ誤ってアクセスするのを防げるよ。

学習のポイント

認証局が侵害されたときは、個々の証明書ではなく認証局単位で信頼を取り消すという考え方を押さえましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅰ 問12(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

関連する過去問一覧

IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針