DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ

平成25年度春期 データベーススペシャリスト 午前Ⅱ 問18

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

WAL(Write Ahead Log)プロトコルの目的に関する説明のうち,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    実行中のトランザクションを一時停止させることなく,チェックポイント処理を可能にする。
  2. イ
    デッドロック状態になっているトランザクションの検出を可能にする。
  3. ウ
    何らかの理由でDBMSが停止しても,コミット済みであるがデータベースに書き込まれていない更新データの回復を可能にする。
  4. エ
    ログを格納する記録媒体に障害が発生しても,データベースのデータ更新を可能にする。
解き方のヒントを見る

目的と対象範囲を照合する視点

この分野では、用語の細かな仕組みを先に当てはめるのではなく、設問が問う目的の対象、守ろうとしている状態、適用される場面の対応を読み取り、説明全体の焦点が一致しているかを確認します。

この問題で問われていること

選択肢を読むときは、説明されている目的が、どの対象に対して、どのような課題を意識したものかという一点に注目し、細部の語句より目的と対象範囲の結び付きを比較してください。

視点

目的を考える際は、まず対象となる処理や関係者を捉え、次に何を安定させたり調整したりするための仕組みなのかを抽象的に整理します。そのうえで、説明の焦点が対象範囲から外れていないかを確認します。

確認ポイント

  • 説明の目的と対象となる範囲が同じ文脈に置かれているか
  • 目的として述べられた課題が、設問の中心的な論点と対応しているか
  • 細かな用語や印象に引っ張られず、目的と対象の関係だけを比較できているか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

WALは、データベースへの更新前に更新情報をログへ記録し、障害によってDBMSが停止した場合でも、そのログを利用して更新処理を回復できるようにするプロトコルです。

理由

WALでは、更新内容をデータベース本体へ反映する前に、回復に必要なログを安定記憶装置へ書き込みます。そのため、コミット済みであっても本体への反映前にDBMSが停止した場合、ログを使って更新を再適用できます。

比較

チェックポイントは回復処理を効率化するための区切り、デッドロック検出はトランザクション間の待ち関係を調べる機能です。また、ログ媒体自体の障害への備えは、WALそのものの目的とは異なります。

選択肢ア

これは不正解だよ。チェックポイントは、障害発生時の回復範囲を整理したり、回復処理を効率化したりするための機能です。実行中のトランザクションを一時停止させることなく処理できる場合があるとしても、それはWALプロトコルの主目的ではありません。

選択肢イ

これは不正解だよ。デッドロック状態になっているトランザクションの検出は、トランザクション間のロック待ち関係を管理・分析する機能です。WALは更新情報をログに記録して障害後の回復に備える仕組みであり、デッドロック検出を目的とはしません。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。WALは、データベースへ更新を書き込む前に、その更新に関するログを記録します。DBMSが停止しても、コミット済みでデータベースにまだ反映されていない更新をログから再適用でき、障害後の回復が可能になります。

選択肢エ

これは不正解だよ。WALはログを利用してDBMS停止後の更新回復を可能にする仕組みであり、ログを格納する記録媒体そのものの障害を解決する機能ではありません。媒体障害への対策には、バックアップや複製など別の仕組みが必要です。

学習のポイント

WALの記録順序と、チェックポイントやデッドロック検出との役割の違いを整理しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度春期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問18(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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