DBデータベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ

平成23年度特別 データベーススペシャリスト 午前Ⅱ 問19

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

文献検索システム,データ検索システムなどの情報検索システムを評価する尺度として用いられる再現率(recall ratio)と精度(precision ratio)の組合せとして,適切なものはどれか。ここで,a,b,cは次の件数を示す。 a:蓄積されたすべてのデータのうち,質問に適合する件数 b:検索されたデータのうち,質問に適合する件数 c:検索されたデータの件数
件数a,b,cの定義と,再現率及び精度の四つの分数の組合せを示す表。
件数a,b,cの定義と,再現率及び精度の四つの分数の組合せを示す表。

選択肢

  1. ア
    再現率:a/b,精度:b/c
  2. イ
    再現率:b/a,精度:b/c
  3. ウ
    再現率:b/a,精度:c/b
  4. エ
    再現率:c/b,精度:a/b
解き方のヒントを見る

評価指標を整理するための一つの視点

複数の評価指標を比べるときは、名称や数値だけを追わず、何を評価対象とし、どの段階の結果を見ているのかという関係に注目して整理しましょう。まず問いの目的を確認し、指標同士を同じ観点で並べてから、与えられた条件との対応を丁寧に確かめます。

この問題で問われていること

今回の検討では、各指標の定義をそのまま覚えるのではなく、指標が捉える評価対象と、設問が述べる評価の段階との対応関係を読み取り、問題文の条件と照合することに集中してください。

視点

指標を確認するときは、まず評価の目的と対象を分けて捉え、次に観測される結果の範囲や比較の前提が揃っているかを確認します。最後に、設問で示された状況に対して、各指標がどの観点を担当しているかを対応づけ、定義や式を先に当てはめないようにしましょう。

確認ポイント

  • 評価の目的と対象が混同されていないか確認する
  • 比較する指標の観測範囲と前提条件が揃っているか確認する
  • 用語の印象ではなく、設問の条件と評価の観点が対応しているか確認する
正解と解説を見る

正解

イ

解説

再現率は蓄積された適合データ全体のうち、検索によって取得できた適合データの割合です。一方、精度は検索結果全体のうち、質問に適合するデータの割合です。したがって再現率は b件/a件、精度は b件/c件となり、適切なのはイです。

理由

再現率は、蓄積されたすべてのデータのうち質問に適合するa件を基準に、検索できた適合データb件の割合を示します。式で表すと、再現率=b件/a件です。精度は検索結果c件を基準に、その中の適合データb件の割合を示すため、精度=b件/c件です。

比較

再現率は適合データの取りこぼしが少ないかを、精度は検索結果に不要なデータがどれだけ少ないかを評価します。両者は分子にbを用いますが、再現率の分母はa、精度の分母はcであり、この違いが選択肢を判断する要点です。

選択肢ア

これは不正解だよ。再現率をa件/b件としており、蓄積された適合データ全体a件を分母に、検索された適合データb件を分子にする定義と逆になっています。精度のb件/c件は適切ですが、再現率の前半が誤りです。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。再現率は蓄積された適合データa件のうち検索された適合データb件の割合なのでb件/a件です。精度は検索結果c件のうち適合するb件の割合なのでb件/c件となり、両方の定義に一致します。

選択肢ウ

これは不正解だよ。再現率のb件/a件は適切ですが、精度をc件/b件としている点が誤りです。精度は検索結果全体c件を分母、適合する検索データb件を分子にするため、分子と分母が逆になっています。

選択肢エ

これは不正解だよ。再現率をc件/b件としており、適合データの割合ではなく検索結果件数と適合件数を逆向きに比較しています。また、精度もa件/b件であり、検索結果全体c件を分母にする定義と一致しません。

学習のポイント

再現率と精度は、同じ適合件数を使っても分母の基準が異なる点を理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度特別 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ 問19(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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