AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ
令和2年度10月 システム監査技術者 午前Ⅰ 問16
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア多くの並行処理を含むシステムの,オブジェクトの振る舞いが記述できる。
- イオブジェクト群がどのようにコラボレーションを行うか記述できる。
- ウクラスの仕様と,クラスの間の静的な関係が記述できる。
- エシステムのコンポーネント間の物理的な関係が記述できる。
解き方のヒントを見る
UML図が描く対象を見極める
UMLには多くの図があり、名前だけで覚えると混同しやすくなります。それぞれの図が何を主役として描こうとしているのかという一つの観点に絞って整理し、問われている内容と照らし合わせて考えましょう。
この問題で問われていること
この種の問題では、図の名称と、その図で表現したい対象との対応関係を正しく結び付けられるかが問われます。図に登場する要素そのものを描くのか、要素どうしの関わり方を描くのかを意識して検討しましょう。
視点
UMLの図は、システムを異なる角度から眺めるための道具です。ある角度では構成要素とその関係を切り出し、別の角度では時間の流れや変化、処理の進み方に注目します。学習の際は、図ごとに『この図を見れば何が分かるか』を自分の言葉で一文にまとめておくと、名称が似ていても区別しやすくなります。
確認ポイント
- その図から読み取れる情報が、構造と振る舞いのどちら寄りかを考えたか
- 時間の経過や順序が、その図の中で意味を持つかどうかを確認したか
- 図の名称から受ける印象だけで判断せず、表現の主役が何かを確かめたか
正解と解説を見る
正解
ア
解説
アクティビティ図は、処理(アクション)の流れを表す振る舞い図です。フォークとジョインで並行処理を、分岐とマージで条件による流れを表せます。そのため、多くの並行処理を含むシステムでもオブジェクトの振る舞いを記述できます。正答はアです。
理由
アクティビティ図は、開始ノードから終了ノードまでのアクションの流れを矢印で表す振る舞い図です。フォーク(分かれ目)で複数の流れを同時に始め、ジョイン(合流点)で同期をとれるため、並行処理を含む振る舞いを表せます。パーティション(スイムレーン)を使えば、どの主体の処理かも分けて書けます。したがってアが正答です。
比較
オブジェクト同士がメッセージをやり取りして協調する様子(コラボレーション)は、コミュニケーション図(UML1.xではコラボレーション図)やシーケンス図で表します。クラスの仕様(属性・操作)とクラス間の静的な関係はクラス図で表します。ハードウェアなどの物理的な構成要素とその関係は、配置図などの構造図で表します。
選択肢ア(正解)
これは正解だよ。アクティビティ図は、アクションの流れを矢印でつないで表す振る舞い図だよ。フォークで流れを分けて同時に進め、ジョインで同期をとれるから、多くの並行処理を含むシステムでもオブジェクトの振る舞いを記述できる。スイムレーンで処理の担当も分けられるよ。
選択肢イ
これは不正解だよ。オブジェクト群がメッセージを送り合って協調する様子(コラボレーション)を記述するのは、コミュニケーション図(UML1.xではコラボレーション図)の特徴だよ。シーケンス図も相互作用を時系列で表すよ。アクティビティ図が中心に表すのは、処理の流れそのものなんだ。
選択肢ウ
これは不正解だよ。クラスの仕様(属性や操作)と、関連・汎化などクラス間の静的な関係を記述するのは、構造図であるクラス図の特徴だよ。アクティビティ図は動的な処理の流れを表す振る舞い図なので、静的な構造を表す目的とは合わないんだ。
選択肢エ
これは不正解だよ。ノード(実行環境やハードウェア)とその上に配置されるソフトウェアなど、システムの物理的な構成要素の関係を記述するのは、配置図などの構造図の役割だよ。アクティビティ図は物理的な構成ではなく、処理の流れを表す振る舞い図なんだ。
学習のポイント
UMLの主な図(アクティビティ図・コミュニケーション図・クラス図・配置図など)の表現対象を区別すること。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和2年度10月 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問16(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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