AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ
平成29年度春期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問11
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア単一の物理サーバ内の仮想サーバ同士が,外部のネットワーク機器を経由せずに,物理サーバ内部のソフトウェアで実現された仮想スイッチを経由して,通信する方式
- イデータを転送するネットワーク機器とは分離したソフトウェアによって,ネットワーク機器を集中的に制御,管理するアーキテクチャ
- ウプロトコルの文法を形式言語を使って厳密に定義する,ISO で標準化された通信プロトコルの規格
- エルータやスイッチの機器内部で動作するソフトウェアを,オープンソースソフトウェア(OSS)で実現する方式
解き方のヒントを見る
記述の対象がどの技術かを見極める
ネットワーク関連の用語は似た言葉が多く、ある技術の説明に見えて実は別の技術や一般的な通信の仕組みを述べていることがあります。各記述が何について語っているのかを、自分の知識と照らして一つずつ確かめることが大切です。
この問題で問われていること
問われているのは、提示された技術の名前と、その技術が担う役割や構成についての理解が一致しているかどうかです。記述の主語や対象範囲を意識し、その技術に固有の話なのか、別の方式の話なのかを区別できるかが焦点になります。
視点
ネットワーク技術を学ぶときは、名前だけで覚えるのではなく、『その技術はどんな課題を解決するために生まれたのか』『どの構成要素が何を担当するのか』を自分の言葉で説明できるようにしておくと、紛らわしい記述に惑わされにくくなります。似た目的を持つ技術や周辺の用語と混同していないか、記述の主語と対象範囲に注目して確かめる習慣を持ちましょう。
確認ポイント
- その技術が生まれた背景や、解決しようとした課題を自分の言葉で説明できるか
- 記述の主語や対象が、その技術自体を指しているか、別の技術や一般的な仕組みを指しているか
- 構成要素ごとの担当範囲について、自分の理解と記述の内容に食い違いがないか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
OpenFlowを使ったSDNは、データを転送する機器から制御機能を切り離し、コントローラというソフトウェアでネットワーク機器を集中的に制御・管理するアーキテクチャなので、正解はイだよ。
理由
OpenFlowを使ったSDNでは、経路制御などの制御機能をOpenFlowコントローラというソフトウェアに集約し、データの転送はOpenFlowスイッチが担うよ。コントローラはOpenFlowプロトコルでスイッチにフローテーブルのエントリを設定し、どのパケットをどう転送するかを指示するんだ。これが「データを転送するネットワーク機器とは分離したソフトウェアによって、ネットワーク機器を集中的に制御、管理するアーキテクチャ」というイの記述と一致するよ。
比較
アは物理サーバ内の仮想スイッチによる仮想サーバ間通信、ウはプロトコルの文法を形式言語で定義するISO標準規格、エは機器内部のソフトウェアをOSSで実現する方式の説明だよ。どれも「転送機器から制御を分離して集中管理する」というSDNの本質を表していないよ。特にエは、OpenFlowの名前にある「Open」から連想しやすいので注意しよう。
選択肢ア
これは不正解だよ。アは、1台の物理サーバ内で仮想サーバ同士が、外部のネットワーク機器を通さずにソフトウェアの仮想スイッチ経由で通信する方式の説明だよ。これはサーバ仮想化環境の仮想スイッチの仕組みに当たるよ。SDNの本質は、転送機器から制御機能を切り離して集中管理する点にあるよ。単一サーバ内部の通信経路の話ではないので、OpenFlowを使ったSDNの説明としては適切ではないよ。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。OpenFlowを使ったSDNでは、経路決定などの制御機能をOpenFlowコントローラというソフトウェアに集約し、データ転送はOpenFlowスイッチが担うよ。コントローラはスイッチにフローテーブルのエントリを設定して転送動作を指示するんだ。だから、転送機器と分離したソフトウェアでネットワーク機器を集中的に制御・管理するというイの記述と一致するよ。
選択肢ウ
これは不正解だよ。ウは、プロトコルの文法を形式言語で厳密に定義する、ISOで標準化された通信プロトコルの規格の説明だよ。OpenFlowは、コントローラがネットワーク機器の転送動作を制御するための技術だよ。プロトコルの文法を記述するための形式言語の規格ではないので、SDNの説明としては適切ではないよ。
選択肢エ
これは不正解だよ。エは、ルータやスイッチの内部で動くソフトウェアをOSSで実現する方式の説明だよ。SDNの要点は、ソフトウェアがオープンソースかどうかではなく、制御機能を転送機器から分離して集中管理する構成にあるよ。機器内部のソフトウェアをOSSにしても、制御が各機器に分散したままならSDNの説明にはならないので、適切ではないよ。
学習のポイント
SDNでは制御機能と転送機能を分離し、制御を集中管理するという点を押さえよう。仮想スイッチ、プロトコル記述規格、OSS化とは別の概念だよ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問11(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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