AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ

平成23年度特別 システム監査技術者 午前Ⅰ 問8

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

NAND素子を用いた次の組合せ回路の出力Zを表す式はどれか。ここで,論理式中の・は論理積,+は論理和,X̅はXの否定を表す。
図。NAND素子3個の組合せ回路。入力Xは分岐して1個目のNANDの2入力の両方に入る。入力Yも同じように分岐して2個目のNANDの2入力の両方に入る。この2個のNANDの出力は、3個目のNANDの2入力になる。3個目のNANDの出力がZである。
図。NAND素子3個の組合せ回路。入力Xは分岐して1個目のNANDの2入力の両方に入る。入力Yも同じように分岐して2個目のNANDの2入力の両方に入る。この2個のNANDの出力は、3個目のNANDの2入力になる。3個目のNANDの出力がZである。
選択肢。選択肢は4つの論理式である。アはX・Y、イはX+Yで、どちらにも上線は無い。ウはX・Y全体に1本の上線がある(X・Yの否定)。エはX+Y全体に1本の上線がある(X+Yの否定)。
選択肢。選択肢は4つの論理式である。アはX・Y、イはX+Yで、どちらにも上線は無い。ウはX・Y全体に1本の上線がある(X・Yの否定)。エはX+Y全体に1本の上線がある(X+Yの否定)。

選択肢

  1. ア
    (問題の図表を参照)
  2. イ
    (問題の図表を参照)
  3. ウ
    (問題の図表を参照)
  4. エ
    (問題の図表を参照)
解き方のヒントを見る

入力から出力へ段階的に式を追う

組合せ回路の出力を整理するときは、いきなり最終形を考えず、各ゲートの出力を中間的な式として書き出しながら入力側から順に追うことが基本です。途中の式を記録すると、見落としや取り違えを防ぎやすくなります。

この問題で問われていること

この問題で確認すべき観点は、回路の各ゲートにどの信号が入っているかを正確に対応づけ、段ごとの出力を式として表すことです。否定の位置や信号の分岐・合流を丁寧に確かめ、得た式を問われている形と自分で照らし合わせてください。

視点

組合せ回路は、入力信号が複数のゲートを段階的に通って出力に至る構造です。各ゲートの出力に仮の名前を付けて一段ずつ式に置き換えると、全体を一度に考えるよりも整理しやすくなります。最後に中間の名前を元の入力の式で置き換えていけば、回路全体の出力を一つの式としてまとめられます。

確認ポイント

  • 各ゲートの入力が、どの入力信号またはどの前段ゲートの出力から来ているかを一つずつ対応づけたか
  • 否定が掛かっている位置と範囲を、途中の式の中で正しく書き表せているか
  • 中間の式を元の入力の式で置き換えたあと、その結果を問われている形と自分で照らし合わせたか
正解と解説を見る

正解

イ

解説

前段のNANDは入力を共通にしているのでNOTとして働き、X̅とY̅を出力します。後段のNANDの出力はZ=¬(X̅・Y̅)となり、ド・モルガンの法則からZ=X+Yです。したがって正解はイです。

導出

NANDの両方の入力にXを入れると、出力は¬(X・X)=X̅です。つまりNOTとして働きます。同じように、下側の前段の出力はY̅です。後段のNANDの出力はZ=¬(X̅・Y̅)で、ド・モルガンの法則により¬X̅+¬Y̅=X+Yになります。

真理値表での確認

(X、Y)=(0、0)→Z=0、(0、1)→Z=1、(1、0)→Z=1、(1、1)→Z=1です。XとYのどちらかが1ならZが1になるので、論理和X+Yと一致します。この真理値表を使えば、ほかの選択肢が合わないことも確かめられます。

比較

アは論理積(AND)、ウはNAND、エはNORの式です。回路の真理値表(0、1、1、1)と比べると、アは(0、0、0、1)、ウは(1、1、1、0)、エは(1、0、0、0)で、どれも一致しません。

選択肢ア

これは不正解だよ。X・YはXとYがどちらも1のときだけ1になる論理積です。回路では前段のNANDがX̅とY̅を出力し、後段のNANDの出力はZ=¬(X̅・Y̅)=X+Yになります。たとえばX=1、Y=0のとき回路のZは1ですが、X・Yは0なので一致しません。

選択肢イ(正解)

これは正解だよ。入力を共通にしたNANDは¬(X・X)=X̅となり、NOTとして働きます。そのため前段はX̅とY̅を出力し、後段のNANDの出力はZ=¬(X̅・Y̅)です。ド・モルガンの法則によりZ=X+Yになり、真理値表の(0,1,1,1)とも一致します。

選択肢ウ

これは不正解だよ。¬(X・Y)はNAND素子1個の出力の式です。この回路では前段で入力が否定されてから後段のNANDに入るので、Z=¬(X̅・Y̅)=X+Yになります。X=Y=1のとき回路のZは1ですが、¬(X・Y)は0なので一致しません。

選択肢エ

これは不正解だよ。¬(X+Y)はNORの式で、X=Y=0のときだけ1になります。回路の出力はZ=¬(X̅・Y̅)=X+Yなので、真理値はNORとすべての組合せで逆になります。たとえばX=Y=0のとき回路のZは0ですが、¬(X+Y)は1です。

学習のポイント

入力を共通にしたNANDがNOTになることと、ド・モルガンの法則を使った式変形を身につけます。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度特別 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問8(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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