AUシステム監査技術者試験 午前Ⅰ
平成21年度春期 システム監査技術者 午前Ⅰ 問24
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア各業務システムを段階的に導入するのではなく,必要なすべての業務システムを同時に導入し稼働させることが重要である。
- イ現場部門のユーザの意見を十分に尊重し,現行業務プロセスと合致するようにパッケージのカスタマイズを行うことが重要である。
- ウ最初に会計システムを導入し,その後でほかの業務システムを導入することが重要である。
- エパッケージが前提としている業務モデルに配慮して,会社全体の業務プロセスを再設計することが重要である。
解き方のヒントを見る
業務適合性を見極める視点
ERP導入では、製品の機能名だけで判断せず、現場の業務目的や制約と、導入後に想定する運用との関係を一つの軸で整理し、担当者が継続的に扱えるか、例外時にも説明できるかを確認します。
この問題で問われていること
確認の中心は、現在の業務で達成したい目的と、導入後に現場が受け入れられる運用のつながりです。便利そうな機能の多さではなく、業務上の負担や例外への対応を含めて、適合性をどう評価するかに注目してください。
視点
業務適合性は、機能の有無だけでなく、業務の目的、担当者の役割、データの扱い、例外時の負担などを同じ観点で見比べて整理します。導入後の教育や見直しのしやすさも、運用を考える材料として扱います。
確認ポイント
- 業務上の目的と、導入後に想定する運用が同じ方向を向いているか
- 担当者が日常的に扱う負担と、例外が生じた際の確認方法を整理できるか
- 導入後に運用を見直すための責任範囲や評価基準を説明できるか
正解と解説を見る
正解
エ
解説
ERPパッケージ導入では、現行業務を無条件にパッケージへ合わせるのではなく、パッケージが前提とする業務モデルを踏まえて会社全体の業務プロセスを見直すことが重要です。
理由
ERPパッケージは、企業の基幹業務に関する標準的な業務モデルや機能を前提としている。したがって、現行業務をそのまま再現するために過度なカスタマイズを行うのではなく、パッケージの前提を考慮して全社的な業務プロセスを再設計する。
比較
導入時期や対象範囲は、業務間の依存関係や移行リスクなどを踏まえて決める。全システムの同時導入や、会計システムを必ず先行させることが一般的な留意点なのではなく、現行業務への適合だけを目的としたカスタマイズも適切ではありません。
選択肢ア
これは不正解だよ。ERP導入では、業務システムを必ず一斉に稼働させなければならないわけではない。対象範囲や業務間の依存関係、移行リスクを踏まえて段階導入を選ぶこともできるため、「同時導入が重要」と一律に決めている点が不適切である。
選択肢イ
これは不正解だよ。現場部門の意見を聞くこと自体は重要だが、現行業務プロセスと合致させるためにパッケージをカスタマイズする考え方は適切ではない。パッケージの業務モデルを踏まえ、必要に応じて業務プロセスを見直すことが基本となる。
選択肢ウ
これは不正解だよ。会計システムを最初に導入し、その後にほかの業務システムを導入するという順序が、常に重要になるわけではない。実際の導入順序は、業務間の関係、導入範囲、移行のしやすさなどを考慮して決定する。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。ERPパッケージは特定の業務モデルを前提に設計されているため、その前提を無視して現行業務に合わせると、過度なカスタマイズや導入効果の低下につながる。パッケージに配慮し、会社全体の業務プロセスを再設計することが重要である。
学習のポイント
ERPの標準業務モデルと業務プロセス再設計の関係を理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅰ 問24(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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