AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
令和6年度秋期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
監査観点を整理する基本視点
導入時の監査を考えるときは、制度や機能の有無だけでなく、業務上の重要な判断が誰により、どの記録を根拠に、どの頻度で確認されるかという統制のつながりに注目します。
この問題で問われていること
一つの観点として、サービス管理の各工程で生じる判断や承認について、責任の所在と証跡が後から確認できる設計になっているかを、業務目的との関係から見極めてください。
視点
監査では、導入した仕組みの名称や個別機能を覚えるより、業務の重要な判断を支える統制が、責任者・手続・記録・確認という流れで無理なく結び付いているかを整理します。
確認ポイント
- 重要な判断について、担当者と承認者の役割が区別され、責任の所在を追跡できるか。
- 実施した操作や確認の記録が、後から内容と時点を確かめられる形で残るか。
- 統制の確認方法が、業務上のリスクと目的に対して過不足なく設定されているか。
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解説
ITサービスの申請、見積り、マスター更新、請求、締切日変更を対象に、新システム導入で生じるリスクと必要なコントロールを問う問題です。
問題の全体像
Q社は、グループ各社へのITサービス提供を効率化・迅速化するため、新しいITサービス管理システムを導入する。監査では、利用者による申請、承認、SIサービスの見積り、定型サービスマスターの更新、利用料請求、締切日変更、リードタイム目標の周知に着目する。公式解答例は、単なるシステム機能の有無ではなく、現行業務との比較から、承認漏れ・マスター不備・請求漏れ・移行リスクなどを防ぐ仕組みや、確認可能な監査証拠を答えることを求めている。
設問1
現行では、多数の定型サービス申請を利用者の上長が一覧表で承認できる。一方、新システムでは申請ごとの承認となるため、上長の負担増が懸念される。そこで、本文にある定型サービスチームのリーダー向け一覧承認機能を、利用者の上長にも提供できるか検討していることを確認する。公式解答例も、一覧画面で承認できる機能の利用者の上長への提供検討を挙げている。
設問2
SIサービスでは、要員などの必要リソースが一定規模を超える場合、現行業務でSIサービスチームの部長承認が必要です。新システムで担当者とリーダーだけが承認すると、この重要な承認が抜ける可能性がある。そのため、一定規模を超える見積りの回答をSIサービスチームの部長へ回付する機能を答える。字数内では、対象となる見積りと部長への回付を押さえる。
設問3
定型サービスの仕様や利用料単価は原則半年ごとに改定されるが、半年の途中でも改定される。途中改定を各定型サービスチームが行う設計なので、更新漏れや誤更新を防ぐ統制が必要になる。したがって、公式解答例のとおり、定型サービスの仕様や利用料単価を改定する手順を定めることを書く。25字以内では、改定対象と手順の整備を簡潔に示す。
設問4
請求明細は、サービス申請のサービスコードと定型サービスマスターのコードが一致する場合に作成される。一致しない申請がエラーのまま適切に処理されなければ、そのサービス分の明細が作成されず、利用料を請求できない。したがって、リスクは公式解答例のとおり、ITサービス利用料の請求に漏れが生じることです。
設問5
締切日を変更すると、開発・テスト量が増え、導入直後の運用が不安定なまま移行リスクを抱える可能性がある。そこで、締切日変更を経理部と協議した事実と内容を示す証拠を確認する。公式解答例は、締切日の変更についての経理部との協議の議事録を閲覧する監査手続としている。
設問6
主要な定型サービスでは、受付から提供までのリードタイムを短縮する目標が導入企画書案に記載されている。利用者が申請時にその目標を確認できれば、サービス提供の期待値を明確にできる。したがって、公式解答例のとおり、サービスカタログにリードタイムの目標が明記される予定になっていることを確認する。
学習のポイント
業務目的と変更点からリスクを特定し、具体的な機能・手順・監査証拠に落とし込む力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度秋期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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