AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成27年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
導入後の変化を監査する視点
現行環境で問題が起きていないことだけを根拠にせず、デスクトップ仮想化によって処理の場所や負荷、運用上の前提、災害時の業務継続条件がどう変わるかを整理して考える。
この問題で問われていること
一つの焦点として、VDI導入後に処理や負荷の集中先が変わることを起点に、現行運用をそのまま適用した場合の利用者影響、監視の前提、業務継続への波及を確認する観点。
視点
デスクトップ仮想化の企画監査では、導入前のPC単位の経験や現行手順だけで判断せず、処理を担う場所、集中する資源、障害時の業務依存関係が変化する点を概念的に捉える。
確認ポイント
- 現行環境と導入後で、処理を担う主体や負荷の集中先が変わっていないか。
- その変化が、通常時の利用者体験や運用監視の前提に影響しないか。
- 障害・災害時に、想定する業務継続の条件と実際の能力が整合しているか。
正解と解説を見る
解説
VDI導入の企画段階で、PC台数だけに基づく検討の不足を監査し、性能、監視、業務継続、TCOの観点から改善策を考える問題です。
問題の全体像
C社は、PC購入費や運用費の削減、情報漏えい防止、運用管理の効率化、災害時の業務継続を目的にVDI導入を計画した。プロジェクトチームは主にPC台数を基準に検討したが、監査では、VDIサーバやネットワークへの負荷、ウイルス対策処理の集中、監視の不足、災害時の処理能力不足が指摘された。出題趣旨では、VDI導入に伴う新たなリスクを把握し、リスクと業務影響に応じて複数の観点から改善提案できるかが問われている。
設問1
着目するのは、デザイン部門の事業強化です。人員が増えればPC台数も増えるが、デザイン業務ではグラフィックス処理やデータ伝送量も増加する。したがって、PC台数だけでなく、VDIサーバ及びネットワークに掛かる負荷を基にシステム資源を検討する、という公式解答例の内容になる。
設問2
現在は個々のPCで実施しているウイルス対策ソフトの更新やアイドル時スキャンが、VDI導入後は仮想マシンを動かすVDIサーバ側に集中する。導入予定サーバの性能では負荷増加により処理性能が低下し、利用者が社内情報システムを平常どおり使えなくなる可能性があるためです。原因と利用者影響を一続きで書く。
設問3
VDIではCPU、GPU、記憶装置へのI/O、ネットワークに負荷が集中する。現行のように障害発生後のアラートメールを受けて対応するだけでは、性能悪化が業務に影響する前に対処できない。したがって、パフォーマンス悪化や障害の兆候を早期検知して通知する機能の追加が、公式解答例の対策となる。
設問4(1)
災害時には、東京又は大阪の一方のサーバルームだけで全PC分の仮想マシンを稼働できない。業務継続の観点では、必要な業務を平常時と同等に遂行できるよう、業務継続に必要なVDIサーバの仕様と台数を見積もる提案を書く。単なる計画改訂ではなく、実際の処理能力を確保する点が重要です。
設問4(2)
TCO削減の観点では、全PCを災害時にも同じ水準で稼働させるために無制限に設備を増やすのではなく、継続が必須の業務を識別する。その上で、必要なVDIサーバの仕様と台数を再検討し、導入コストを最適化する。採点講評でも、この設問ではTCO削減の観点を外した答案が多かったとされている。
学習のポイント
仮想化による負荷集中と、業務影響を踏まえた監査上の改善提案を学ぶ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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